はじめに:ナレーション制作、まだ人の声で苦労していませんか?
eラーニングコンテンツや動画研修の制作に取り組んでいる多くの制作者が、長年同じ「ナレーションの壁」に直面しています。
- 収録スタジオの予約やスケジューリングに時間がかかる。
- ナレーターさんへの外注費や、修正時の再収録費用が高い。
- 声のトーンがバラつく。収録の最初と最後では声が違ってくる。複数日に渡って収録する場合にも声が違って聞こえる。
- 何年か経ってから動画を修正しようとすると、同じナレーターさんを手配する必要がある。そのナレーターさんが引退してしまっていることも。
教材の品質を左右する重要な要素でありながら、ナレーション作りは驚くほど手間とコストがかかる工程です。
その労力とコストを、「たった一度の投資」で劇的に変える方法があります。それが、最新のAI音声合成ソフト「VOICEPEAK(ボイスピーク)」です。
VOICEPEAKは、テキストを入力するだけで、感情豊かで自然な日本語音声を生成してくれます。この記事では、特に企業研修や学校教育などのeラーニング制作者向けに、VOICEPEAKを使って教材ナレーションを効率よく、そして極めて自然に作る方法を、具体的なステップと「裏技」を交えて徹底解説します。
VOICEPEAKとは?eラーニング制作者が注目する3つの強み
VOICEPEAKは、株式会社AHSが販売する、最新のAI音声合成技術が組み込まれた高性能な音声合成ソフトです。誰でも簡単にプロレベルの日本語ナレーションを作れるように設計されており、その自然なイントネーションと抑揚は、従来の「機械的なAI音声」の印象を完全に覆します。
東京にお住まいの方であれば、東京メトロの駅で流れているいかにも機械音声な放送を耳にされたことがあるかもしれませんが、VOICEPEAKで作成した音声はまったく異なります。人の声に近い柔らかさと表現力を持つため、企業の教育・ビジネスの場面でも受講者に違和感を与えることなく利用できます。
VOICEPEAKの強みを3つ挙げると
- 企業利用に必須!商用利用が明確で安心
VOICEPEAKの最大の特徴は、商用利用可能なパッケージである「VOICEPEAK商用可能6ナレーターセット」が明確に用意されている点です。企業や団体が制作する教材、研修動画、公開用のプロモーション動画など、業務利用目的で生成した音声をそのまま利用できます。
利用許諾範囲には、このツールで作ったナレーション音声の利用用途が非常にわかりやすく整理されています。
【Point】
著作権や利用規約を気にすることなく、安心して教材制作に組み込めるため、法務部門のチェックもスムーズに通過しやすいのが大きなメリットです。
2. 再現性の高さ:ナレーション品質が均一化
eラーニングコンテンツは、年度更新や法改正で頻繁に内容が修正されます。ナレーターさんの声の場合、数ヶ月後に再収録をしたときには声のトーンや環境音が変わりがちです。
VOICEPEAKなら、一度作った話者・トーンの設定を完全に保ったまま、必要な部分のテキストだけを修正し、音声を再生成できます。この「再現性の高さ」こそが、更新作業が格段に楽になり、教材全体の品質を均一に保てるという、制作者にとって最大のメリットです。
また、6ナレーターセットには、その名の通り6種類の声が最初から入っています。男性の声が3種類と女性の声が3種類です。
3. イントネーションや読み方を細かく修正できる
生成AIを活用してナレーションを生成するソフト・サービスはいろいろありますが、ほとんどのソフト・サービスは音声ファイルを生成するだけで、イントネーションや読み方を修正することはできません。読み方が違った場合は、ナレーション原稿自体をひらがなに直してから生成し直す必要があります。
VOICEPEAKはイントネーションや読み方を修正する機能(UI)を持っており、細かく調整して生成し、また修正して生成し、ということが手軽にできます。
また、単語登録機能も持っており、専門用語などの読み方とイントネーションを登録することで間違えずに読み上げてくれるようになります。
■イントネーションや読み方を修正画面

■単語登録画面

4. 人間の感情を再現!感情表現が細かく設定できる
従来のソフトでは難しかった、「感情の表現」を細かく調整できるのもVOICEPEAKの大きな強みです。
「幸せ」「楽しみ」「怒り」「悲しみ」などの感情のスライダーを調整することで、単なる棒読みではない、文脈に合った抑揚やトーンを作り出すことが可能です。
加えて、読み上げる速度やピッチの高さ、句読点などの際の無音時間の長さなどもスライダーで調整することができます。
これにより、重要なポイントを強調したり、親しみやすい雰囲気を出したりと、受講者の集中力を高めるナレーションを作成することができます。
■感情等の設定エリア

【制作時間が1/3に】VOICEPEAKで「人が話している」と錯覚させる基本ステップ
ここからは、VOICEPEAKを使って、受講者が集中できる高品質なナレーションを作るための具体的な制作手順を紹介します。
Step1:プロ品質の土台!「原稿(スクリプト)の書き方」を極める
AI音声は入力されたテキストを忠実に読み上げます。そのため、「読み上げてもらいやすい原稿」を作成することが、自然な音声を作るための最初の、そして最も重要なポイントです。
以下の「読み上げに特化した原稿作成ルール」を意識してください。
| 項目 | 意識するポイント | 具体的な書き方 |
| 文の構成 | 一文を短く、簡潔に区切る。意味の区切りにポーズ(間)を入れる。 | 句読点(、。)や改行を適切に使う。 |
| 漢字とひらがな | 読み間違いを防ぎ、柔らかい印象にする。 | 漢字を開いて「ひらがな」多めに(例:出来る→できる、言う→いう) |
| 統一性 | 終助詞(文末)のトーンを揃える。 | 「です・ます」調で統一し、途中で「だ・である」調にしない。 |
Step2:テキスト入力と「間(ま)」の調整
VOICEPEAKを起動し、用意したスクリプトをコピー&ペーストします。
学習者が内容を理解するためには、「話すテンポ」が極めて重要です。ナレーションのリズムは、句読点だけでなく、改行やポーズ挿入機能でコントロールします。
- 改行: 長めの間(休憩)を作りたいときに使用。スライドの切り替わりなどに有効。
- ポーズ: 文と文の間など、学習者に一呼吸おいてほしい箇所に挿入。
慣れてくると、この「間」の調整だけで、ナレーションに「呼吸感」が生まれ、受講者の集中度が向上します。
当社でよく使うオススメの設定としては、「。」(句点=改行)のところで、デフォルト設定よりも長く「1秒」空けるようにするとナレーションのテンポが良くなります。
また逆に、「、」(読点=ポーズ)のところは、デフォルト設定のままのところと、「0%」に短くするところを組み合わせると、テンポが良くなります。
Step3:話者(ナレーター)の選択と役割設定
VOICEPEAKの6ナレーターセットには6種類の話者(声の種類)が収録されています。eラーニングでは、「誰が語るか」で教材の印象が大きく変わるため、コンテンツの目的に合わせて選びましょう。
| 教材タイプ | おすすめ話者のイメージ | 期待できる効果 |
| 社内研修・マナー教育 | 落ち着いた男性/女性ナレーター (男性2・女性2) | 信頼性、権威性の確保。内容への集中。 |
| 学生・新人向け導入教育 | 明るく親しみやすい声 (男性1・女性1) | 心理的ハードルの低下。親近感。 |
| 医療・資格・IT系(専門知識) | クールで安定感のある声 (男性3・女性3) | 情報の正確性、安定性の演出。 |
→声の比較はこちら
1つの学習コース内で話者を切り替え、「講師役」と「受講者役」の掛け合い風にすると、単調さを避け、学習のテンポが良くなります。VOICEPEAKでは、一文ごとに話者を替えることもできますので、このような凝ったコンテンツの作成も容易です。
Step4:話速と感情の「黄金比」を調整し”生きた声”にする
ここが、AI音声をプロ品質に引き上げる最も重要なポイントです。
eラーニングのナレーションの速度はどのくらいが最適なのかは、それこそ20年前から議論になってきましたが、eラーニングの定着とともに、ナレーションの速度は年々速くなってきています。
これは例えば、YouTubeで若い人向けのチャンネルと、年配の人向けのチャンネルとを聞き比べてみると、出演者の話す速度が明らかに違うことからもお分かりいただけるように、eラーニングの受講者の若返るのに合わせて、速いナレーションが好まれるようになってきています。
一昔前は、1分あたり300文字程度の速度が好まれていたのですが、最近では1分あたり350文字でも遅いと言われることが増えました。
【裏技公開】棒読み感を一掃する「黄金設定」
そのような背景も考慮し、単なる棒読み感を減らし、人が話すような自然なテンポを作るための設定をご紹介します。
| 設定項目 | 黄金比(推奨設定) | 効果 |
| 話速(スピード) | 105~110% | 標準よりすこし速いくらいが聞きやすい。聞き手の年齢層が下がるほどにナレーション速度は速くなる傾向あり。 |
| 抑揚(表現力) | +10〜+15 | 機械的な平坦さを解消し、表現力をアップ。 |
| 感情(ニュアンス) | 「喜び」10〜20% | 全体に柔らかいトーンを加え、親しみやすい印象に。 |
特に重要なのが、「話速115%」と「抑揚+15%」の組み合わせです。少しだけ速く、少しだけ強調することで、実際の人の話し方に近い自然なリズムと、活き活きとした印象が生まれます。
また、文末のトーンをわずかに下げる(ピッチ調整)ことで、落ち着いた印象になり、教材としての安定感を高めることができます。
Step5:音声を出力して動画に組み込む
調整が完了したら、音声を高音質な「WAV形式」で出力します。
出力した音声は、以下のように様々な形で活用可能です。
- PowerPointへの挿入:ナレーション付きスライド教材の作成。
- 動画編集ソフトでの合成:Premiere Pro、Canva、Vrewなどのソフトで映像と統合。
- LMSへのアップロード:学習管理システム(LMS)上で配信・受講ログの取得。
VOICEPEAKで作ったナレーションは修正が容易なため、更新のたびに「録り直し」をせずに済むのが、時間とコストを削減する最大の利点です。
制作経験者が語る!「プロ品質」に仕上げるための最後のひと手間
VOICEPEAKを使いこなすプロの制作者が実践している、さらに品質を高めるための3つのコツを紹介します。
コツ1:抑揚とポーズで「文意」を明確に区切る
ナレーションが単調に聞こえる最大の原因は、「話の区切りが不明確」なことです。
- 単語の羅列にならないよう、意味が変わる直前や重要なキーワードの前で、ポーズ(間)を入れましょう。
- この「間」が、受講者に内容を処理する時間を与え、理解度を飛躍的に高めます。
コツ2:数字・英単語の発音を徹底的に確認する
「AI(エーアイ)」「DX(ディーエックス)」「KPI(ケーピーアイ)」といった略語や専門用語は、AIが誤読しやすく、教材全体の信頼性を損なう可能性があります。
必ず再生して確認し、不自然に感じたらルビ指定機能(例:DX《ディーエックス》)で修正し、正確に読ませることが必須です。
コツ3:特定の感情は「強さ」を意識する
例えば、受講者に注意を促したい場合、ただ「怒り」の感情を入れるだけでなく、その強さを10〜20%程度に抑えると、角が取れて「注意喚起」として落ち着いたトーンになります。感情表現は、100%に近づくほど強調されるため、教材用途では30%以下での微調整を基本としましょう。
eラーニング制作現場での活用事例:即時性とコスト効率
実際にVOICEPEAKを導入した企業や団体では、ナレーション制作プロセスに劇的な変化が起きています。
事例①:社内研修教材の更新スピードが圧倒的に向上
【課題】
これまで外部ナレーターに発注しており、コンテンツ修正時の音声差し替えに毎回1週間以上かかっていた。【VOICEPEAK導入後】
テキストを修正し、音声を再生成する作業がわずか1時間以内で完了。教材の鮮度を保ったまま、迅速な公開が可能に。
事例②:講師の負担軽減と制作コストの劇的削減
【課題】
社内講師が自らナレーション収録をしており、講師の稼働時間と録音環境の整備にコストがかかっていた。【VOICEPEAK導入後】
講師は教材内容の監修に集中でき、ナレーション収録時間がゼロに。1コースあたりの制作コストを3分の1に削減できた事例も出ています。
事例③:助成金対応コースでの要件をスムーズにクリア
「人材開発支援助成金」などの助成金対応のeラーニングコースを用意するには、10時間以上の長さの動画教材が必須となるケースがあります。VOICEPEAKを使えば、安定した統一品質で全ての講座のナレーションを作成でき、要件クリアのための制作プロセスがスムーズになります。
VOICEPEAKの弱み
このような非常に便利なVOICEPEAKですが、いくつか弱点もあります。
・英語の読み上げは苦手
日本語は流ちょうに読み上げることができますが、英語の読み上げはできません。英単語にカタカナでふりがなを振り、カタカナ英語として読ませることしかできません。
英語のナレーションを作る場合は、別のソフトを使う必要があります。
・機械的な言葉の読み上げは苦手
例えば「~は、a、b、c、dの4つです」のようなイントネーションがない言葉であったり、技術系のコンテンツで出てくるようなIPアドレスなどはどうしても不自然になってしまいます。
・トーンが一定すぎて平坦に感じられることも
一定のトーンでナレーション音声を作成することができる反面、トーンが一定すぎて退屈な声に聞こえてしまうことがあります。その場合は、文末のトーンを上げ下げすることで、文章にリズムを出してあげると改善させることができます。
VOICEPEAK × LMS「Qualif(クオリフ)」での効率的な運用イメージ
VOICEPEAKで生成した高品質な音声で作られた動画教材は、学習管理システム(LMS)と組み合わせることで、さらにその真価を発揮します。
例えば、LMS「Qualif」のようなシステムにVOICEPEAKの音声を使った動画をアップロードすれば、
- 動画教材をストリーミング配信
- 受講ログ・進捗を自動記録
- スキップ防止機能で「教材を最後まで見せる」助成金要件にも対応
これにより、教材制作から配信・管理までをワンストップで運用できます。特に更新頻度の高い企業研修や資格対策講座では、VOICEPEAKとLMSの組み合わせは、制作効率と管理効率の両立に不可欠な構成です。
価格情報:導入は「コスト削減」への投資
VOICEPEAKのラインナップはいくつかありますが、商用利用を前提とするeラーニング制作者には、「商用可能 6ナレーターセット」が圧倒的にオススメです。
| 製品名 | 価格(税込目安) | 主な特徴 |
| VOICEPEAK 商用可能 6ナレーターセット (ダウンロード版) | 23,800円 | 男性3名、女性3名を含む、計6名のナレーターがセット。商用利用可。eラーニング制作の標準装備。 |
ナレーター外注費用が数万円〜数十万円かかることを考えると、VOICEPEAKの初期費用は非常に安価な「コスト削減」への投資と言えます。
まとめ:もう「ナレーションの苦労」から解放されましょう
VOICEPEAKは、単なる制作時間の短縮ツールではありません。
- 人が読むより安定した品質
- テキスト修正による即座の反映
- 全教材でナレーション品質が均一化
eラーニング制作者にとって、VOICEPEAKは教材品質を支える“裏方の講師のような存在です。
ナレーション制作の非効率な作業から解放されることで、制作者はより重要な部分——構成設計、受講者体験の向上、教材内容のブラッシュアップ——に時間を使えるようになります。
【今すぐ試せる】まずは無料体験版で、あなたの台本を読ませてみませんか?
製品版の購入前に、VOICEPEAKの「無料体験版」でその自然な音声をぜひお試しください。
<無料体験版の制限事項>
- 読み上げ可能文字数が100文字まで
- 男性1名、女性1名のナレーターのみ利用可能
- 音声ファイルの保存不可(商用・業務利用も不可)
- 体験版で作成した音声ファイルは商用利用不可
制限はありますが、その自然なイントネーションと抑揚は十分に確認できます。公式ウェブサイトにて、簡単な手続きでダウンロードできます。
「これ、本当にAI音声なの?」その驚きが、あなたの制作現場を一変させる第一歩となるはずです。


