2024年度まで、「キャリアアップ助成金」は正社員化1名につき80万円が受給できる制度として、多くの企業が活用してきました。ところが、2025年度(令和7年度)の変更により、すべてのケースで80万円を受給できるわけではなくなったことを、ご存知ですか?
今回の変更では、通常の正社員化は受給額が40万円に減額されましたが、「重点支援対象者」に該当すれば、昨年までと同様に80万円を受給することが可能です。
そこで、本記事では「重点支援対象者」となる条件を読み解き、助成額を最大化する方法や、よくある疑問点について解説します。
キャリアアップ助成金「正社員化コース2025」の変更点
「キャリアアップ助成金」は非正規雇用から正社員への転換や、処遇改善の取組等を実施した事業主に対して助成するものです。
令和7年度の制度変更により、キャリアアップ助成金・正社員化コースの受給条件が変更になりました。昨年度までは正社員に転換した場合に1人あたり80万円(中小企業の場合)が支給されていましたが、変更によってすべてのケースで80万円を受給できるとは限らなくなりました。しかし「重点支援対象者」に該当すれば、昨年までと同様に80万円を受給することができます。
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2025年度「キャリアアップ助成金 正社員化コース」の変更点をわかりやすく解説 | Qualif eラーニングラボ
重点支援対象者への支給額
キャリアアップ助成金・正社員化コースでは、対象者が「重点支援対象者」 と 「それ以外」 の2つに区分されます。
このうち「重点支援対象者」に該当する場合は、昨年度と同様に、中小企業の場合は1名あたり最大80万円、大企業の場合は1名あたり最大60万円 の助成金を受給することが可能です。しかし、重点支援対象者に該当しない場合の受給額は、中小企業40万円・大企業30万円と、昨年度までの半額に減額されました。
これは、すべての労働者に一律に助成をするのではなく、正社員になることがより困難な方々を「重点支援対象者」として定義して、その方々に対して重点的に支援を行うという方針に転換したものと考えられます。

重点支援対象者の該当要件と「人材開発支援助成金の特定の訓練修了者」
その「重点支援対象者」とは、以下のa~cのいずれかに該当する労働者のことを指します。
a:雇入れから3年以上の有期雇用労働者
b:雇入れから3年未満で、次の①②いずれにも該当する有期雇用労働者
①過去5年間に正規雇用労働者であった期間が合計1年以下
②過去1年間に正規雇用労働者として雇用されていない
C:派遣労働者、母子家庭の母等または父子家庭の父、人材開発支援助成金の特定の訓練修了者
このようにa~cまでの大きく3パターンが定義されていますが、このうち、aやbの条件に当たる有期雇用労働者は多くはありません。cに記載されている、母子家庭の母・父子家庭の父を探し出して雇用する、というのも難しいでしょう。
であるとすれば、企業が有期雇用の労働者を正社員に転換して80万円を受給するには、cの3つ目にある「人材開発支援助成金の特定の訓練修了者」を正社員化するのが、最も現実的であると言えます。
つまり、人材開発支援助成金に対応した研修を受講させて重点支援対象者に該当させ、キャリアアップ助成金の満額受給を目指す、というのが、企業側で状況をコントロールする最も簡単な方法ということになります。
人材開発支援助成金とは?
では、その「人材開発支援助成金」とはどのようなものかをみていきましょう。
人材開発支援助成金には6つのコースがあり、それぞれに研修の内容や研修実施形態が決められています。
- 人材育成支援コース
- 教育訓練休暇等付与コース
- 建設労働者認定訓練コース
- 建設労働者技能実習コース
- 人への投資促進コース
- 事業展開等リスキリング支援コース
引用元:人材開発支援助成金|厚生労働省
このうち、キャリアアップ助成金と組み合わせることができるのは、
・人材育成支援コース
・事業展開等リスキリング支援コース
・人への投資促進コース
の3つのみです。
そして、企業が人材開発支援助成金の研修を受講させて重点支援対象者に該当させることを目指す場合は、「事業展開等リスキリング支援コース」を組み合わせるのが最適です。
人材育成支援コースは、研修費用に対する経費助成率が45%と低く、人への投資促進コースは、高度デジタル人材訓練は経費助成率が75%ですが、その名の通り高度な内容の研修が求められたりと、利用にはそれぞれ高いハードルがあるためです。
事業展開等リスキリング支援コースとは
事業展開等リスキリング支援コースの研修の要件は、以下のように定められています。
- 訓練時間数が10時間以上であること
- OFF-JT(企業の事業活動と区別して行われる訓練)であること
- 職務に関連した訓練で、以下のいずれかに該当する訓練であること
- 企業において事業展開を行うにあたり、新たな分野で必要となる専門的な知識および技能の習得をさせるための訓練
- 事業展開は行わないが、事業主において企業内のデジタル・トランスフォーメーション(DX)化やグリーン・カーボンニュートラル化を進めるにあたり、これに関連する業務に従事させる上で必要となる専門的な知識及び技能の習得をさせるための訓練
1と2は詳しい説明は不要かと思います。
3の研修内容については、1点目の事業展開を行うに当たって必要な知識を学習するには、研修を受講する企業ごとに新規事業の内容が異なる可能性があるため、それにぴったりあった研修を見つけてくるのは困難です。
また、2点目のグリーン・カーボンニュートラルはテーマ自体が新しいこともあり、対応した研修が世の中に余り出回っていないという問題があります。
そうなると、3点目のデジタル・トランスフォーメーション(DX)に関する知識を学ぶというのが、研修の選択肢も多く、またDXの知識はすべての社員が持っているべきものでもあるため、最も有効といえるでしょう。
研修はQualif(クオリフ)を活用したeラーニングで実施
研修の提供形態としては、
- 通学制
- 同時双方向の通信訓練
- eラーニング
- 通信制
- 定額制サービスによる訓練
が認められていますが、受講者の利便性を考えると3番のeラーニングが、場所や時間の制約なしに受講できて、便利なのはいうまでもないでしょう。
つまりまとめると、人材開発支援助成金「事業展開等リスキリング支援コース」に対応した研修としては、
①10時間以上の長さの
②デジタル・トランスフォーメーション(DX)関連の知識を学ぶ
③eラーニング研修
を受講するのが最も良いと言えます。
eラーニングによる研修は、LMSを利用して研修の進捗管理が行うことが必要です。教材を提供するだけ、ビデオを視聴するだけの講座は、条件を満たしません。LMSを導入してeラーニングを受講し、研修の実施状況をエビデンスとして提示して、助成金を申請します。
弊社では、キャリアアップ助成金・正社員化コースの重点支援対象者の要件を満たせる、人材開発支援助成金・事業展開等リスキリング支援コースに対応したeラーニング研修『生成AI時代のDX』を提供しています。
『生成AI時代のDX』の特徴は以下の通りです。
- 受講費用は1人あたり税込10万円で、75%が助成されると、実質負担は1人あたりわずか2.5万円です。
- 業務に役立つデジタルト・ランスフォーメーション(DX)や生成AIに関する知識を学ぶことができ、キャリアアップ助成金を受給するための研修ではなく、DXについて学べる研修としてしっかりと役に立つ内容になっています。
- 人材開発支援助成金の要件を満たしています。(10時間の研修で、LMSに載せて配信され、受講状況の記録を取ることができます)
人材開発支援助成金対応のeラーニングとして提供されている研修はいくつもありますが、そのほとんどは受講費用が30~40万円で提供されています。弊社のeラーニングの受講費用は税込10万円。このうち75%にあたる7.5万円が助成されるため、実質負担額は2.5万円。
つまり、わずか2万5千円の負担増で、キャリアアップ助成金の受給額を40万円→80万円に40万円もアップさせることが可能となります!

「キャリアアップ助成金アシスト10」の詳細はこちら:
https://qualif.jp/campaign/lp/assist10
助成金受給についてのFAQ(よくある質問)
Q1 社内でのOJTは助成金の対象になりますか
A 事業展開等リスキリング支援コースの研修の要件に、「OFF-JT(企業の事業活動と区 別して行われる訓練)であること」とあり、社内業務を通じてのOJTだけでは助成金の対象にはなりません。ただしOFF-JTと組み合わせたOJTを行う場合には、助成金対象となる可能性もあるので、労働局に確認したうえで、進めていくと良いでしょう。
Q2 該当の研修を受けるのは、正社員になった前でも後でも良いですか
A 正社員に転換した後で、研修を受講しても、キャリアアップ助成金の重点支援対象者にはなりません。キャリアアップ助成金の受給額アップの要件は、「対象となる訓練修了者を正社員化した場合」なので、正社員になる前に人材開発支援助成金対象研修を修了しておくことが必要です。
Q3 免許や資格を取るための学習は、いずれは業務に役立つ可能性があると思うのですが、助成金の対象にはなりませんか
A 基本的には、職務に直接関連しない訓練は、助成金の対象とはなりません。しかし、職務との関連性や専門的な知識や技能の習得が目的である認められた場合には、対象となる可能性があります。職業訓練実施計画書や訓練カリキュラム等具体的な内容を提出し、労働局に確認すると良いでしょう。
助成金制度は、戦略的に組み合わせて使うことで、企業にとってより有益なものとなります。助成金対応eラーニングパッケージ「キャリアアップ助成金アシスト10」を活用することで、人材育成とコスト最適化を両立させていきましょう。
- キャリアアップ助成金・正社員化コースは2025年度から助成額が半減
- しかし、人材開発支援助成金対応のeラーニング研修を組み合わせることで満額(最大80万円)を受給可能
- 「キャリアップ助成金アシスト10」は、2つの助成金を掛け合わせて最大限活用できる支援パッケージ
▶「キャリアアップ助成金アシスト10」の詳細・無料相談はこちら:
キャリアアップ助成金アシスト10 – Qualif紹介サイト
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