「eラーニングを導入したいけれど、予算が限られていて難しい…」
そんなお悩みをお持ちの研修担当の方も多いのではないでしょうか。
実は、国や自治体が提供する助成金・補助金制度を上手に活用することで、eラーニングの導入や受講にかかる費用を大幅に抑えることが可能です。
さらに、これらの制度は、計画的な人材育成や社内のDX化の推進にもつながるため、長期的な組織力強化にも役立ちます。
本記事では、eラーニング研修の受講を検討されている企業様向けに、コストを抑えて導入できる「厳選された3つの助成金制度」をご紹介します。
「eラーニング × 助成金活用」のメリット
企業が社員研修を実施しようとする際、多くのご担当者は、次のような課題に直面することがあります。
◆ 集合研修はコスト負担が大きい
会場の手配、講師の招聘、教材の制作など、集合研修には想像以上に多くの費用がかかります。「いい内容の研修でも、コスト面で実施をためらう」という声も少なくありません。
◆ 社員のスケジュール調整が難しい
業務に追われる現場では、研修受講者全員のスケジュールを合わせるのが難しく、研修日程の調整に苦労することもしばしば。せっかく企画しても、実施までのハードルが高くなりがちです。
◆ 教育の成果が「見えにくい」
「誰がどこまで理解しているのか、進捗や習熟度が見えにくく、研修の効果を社内で説明しにくい」など、悩みを抱える企業も多く見受けられます。
こうした課題を解決する切り札となるのが、「eラーニング × 助成金活用」です。主に以下のような具体的メリットがあります。

特に、「費用面で導入をためらっていた」「経営陣の理解が得にくい」といったお悩みを抱えている企業様にとって、助成金を活用したeラーニングの導入は、研修実現の大きな後押しになることでしょう。
eラーニング受講に活用できる助成金 ①
「人材開発支援助成金 事業展開等リスキリング支援コース」活用でeラーニングにかかる費用を最大75%削減
厚生労働省の「人材開発支援助成金 事業展開等リスキリング支援コース」を活用すれば、eラーニング研修受講費用の最大75%が助成される制度があります。(中小企業の場合)
この「事業展開等リスキリング支援コース」は、企業が新たな事業分野への展開やDX推進などを行う際に必要となる知識の習得を目的としており、以下の条件を満たすことで活用が可能です。
助成金を受けるための主な条件
- 10時間以上のeラーニング研修動画を受講すること
- LMS(学習管理システム)で学習履歴を記録・管理できること
- 訓練開始前と終了後に、労働局への申請手続きを行うこと
これらの条件をクリアすれば、受講費用の最大75%が助成対象となり、研修費用の負担を大幅に軽減することができます。
たとえば、30万円のeラーニング研修を10名で受講する場合、通常なら合計300万円の費用がかかりますが、225万円の助成を受けられると、実質負担は75万円(1人あたり7.5万円)に抑えられます。
「費用がネックで研修導入に踏み切れない...」という企業様にとって、この助成制度は非常に大きな後押しになります。

昨今は、LMS(Learning Management System:研修管理システム)を活用したeラーニング研修が、時間や場所を選ばずに受講できることから、企業にとって導入のハードルが低く、多くの企業で導入が進んでいます。特に、国の助成金制度を活用すれば、研修費用の負担を大幅に軽減できるため、eラーニングを活用した人材育成の取り組みに弾みがつきます。
この助成金制度は、2026年度(令和8年3月末)までの時限的な制度です。さらに、令和7年4月1日から制度の見直しが行われ、計画届の提出期限が変更されました。これまで「訓練開始日の1か月前まで」だった提出期限が、「訓練開始日から起算して6か月前から1か月前までの間」に変更されています。
この制度を活用してeラーニングを導入・拡充したい企業様にとっては、早めの計画立案と申請準備が極めて重要です。助成対象となる研修の設計やLMSの選定にも時間を要するため、余裕を持ったスケジュールで動き出すことを強くおすすめします。
参照元:「人材開発支援助成金」
下記の概要リーフレットもご参照ください。「令和7年度版 事業展開等リスキリング支援コースのご案内(令和7年4月1日版)」[608KB]
下記の記事は、「助成金に対応したeラーニング研修講座例」をご紹介しています。人事部門・事業部門のリーダーの皆さまにとって、今すぐ活用できる実践的な情報をお届けしていますので、ぜひご一読ください。
人材開発支援助成金「事業展開等リスキリング支援コース」に対応したDX eラーニング研修リスト【2025年版】 – Qualif eラーニングラボ
参照元: 助成金の詳細は、必ず厚生労働省のウェブサイトでご確認ください。
人材開発支援助成金|厚生労働省
eラーニング受講に活用できる助成金②
「IT導入補助金」でDX化に最大450万円の補助
「IT導入補助金」は、経済産業省によって実施されている中⼩企業・⼩規模事業者等の労働⽣産性の向上を⽬的として、デジタル化やDX等に向けたITツール(ソフトウェア、サービス等)の導⼊を⽀援する補助⾦です。
参照元:サービス等⽣産性向上IT導⼊⽀援事業「IT導⼊補助⾦2025」の概要(経済産業省)
日本では、急速なグローバル化やDX(デジタルトランスフォーメーション)化の進展に伴い、企業が新しい事業モデルへ転換することが求められています。
この変化に対応するためにも、eラーニングやLMS(Learning Management System:学習管理システム)を導入したいと考えている企業は、年々増加しています。
例えば、「IT導入補助金」を活用すれば、研修の受講企業は最大450万円までの導入費用を国から補助してもらうことが可能です。
「IT導入補助金」には、下記5つがあります。
- 「通常枠」
- 「インボイス枠(インボイス対応類型)」
- 「インボイス枠(電子取引類型)」
- 「セキュリティ対策推進枠」
- 「複数社連携IT導入枠」

この中で、eラーニングの導入が対象となるのは、「通常枠」です。労働生産性向上のためのITツールであれば対象となり、eラーニングもこれに含まれます。
補助額・補助率は、下記の通りです。
- ITツールの業務プロセスが1~3つまで:補助額5万円~150万円未満(補助率1/2以内)
- ITツールの業務プロセスが4つ以上:補助額150万円~450万円以下(補助率1/2以内)

また、補助対象は下記の3つです。
- ソフトウェア :ソフトウェア購入費、クラウド利用料(最大2年分)
- 導入関連費 (オプション) :拡張機能やセキュリティ対策実施に係る費用
- 導入関連費 (役務の提供) :導入・活用コンサルティング、導入設定・マニュアル作成・導入研修、保守サポートに係る費用
eラーニングの導入は、「IT導入補助金(通常枠)」の対象となり、最大450万円まで補助を受けることが可能です。ソフトウェア費用だけでなく、導入関連費用も含まれるため、コストを抑えて導入を進めることができます。積極的に活用を検討しましょう。
また、今年度の通常枠の申請は7次まで行われる予定で、最終の申請締め切りは12月2日です。利用する場合には忘れずに申請しましょう。

参照先:新規申請・手続きフロー詳細(サービス等生産性向上IT導入支援事業事務局)
eラーニングの助成金は「DX推進補助金」の活用で最大100万円の補助
国の補助金だけでなく、地方自治体が独自に展開する「DX推進補助金」も、研修の費用を削減する有効な手段として注目されています。
このような補助金制度の多くは、「業務効率化」「人材育成」「働き方改革」などを目的としたITツール導入を対象にしており、LMS(Learning Management System:学習管理システム)や動画研修コンテンツの導入もその対象になるケースがあります。
今回は、公益財団法人東京しごと財団が実施する「DXリスキリング助成金」についてご紹介します。
「DXリスキリング助成金」とは、東京都内の中小企業等が、デジタル技術を活用した業務改善や新たな事業展開を目指すために、社員のリスキリング(学び直し)を支援することを目的とした制度です。
助成金対象の研修は、下記の2種類ありますが、eラーニングの対象は、(1)レディメイド研修です。
(1)レディメイド研修(次のア及びイを満たす研修)
ア:教育機関(大学や研修会社など)が計画した既存の公開研修であること
イ:集合研修又はeラーニングであること
ここでいうeラーニングとは、オンライン上で配信されるテキストや動画等を活用し、受講者が任意の時間に受講できる研修のことを指します。
(2)オーダーメイド研修(次のア及びイを満たす研修)
ア:申請企業等の従業員を対象として計画し、教育機関に委託して実施する研修であること
イ:集合研修であること
助成額、助成限度額は下記の通りです。

助成対象かの判断は、財団による審査結果によりますのでご注意ください。
「社内のDXを本格的に進めたい」
「これからの時代に対応できる人材を育てたい」
こうした課題やご希望をお持ちの企業様にとって、「DXリスキリング助成金」は、eラーニング導入を後押ししてくれる、大変心強いサポートとなるはずです。ぜひ一度、ご活用をご検討ください。
交付申請書受付期間は、下記の通りです。
2025年3月1日から2026年2月28日まで
▼詳細は、東京しごと財団の助成金ページをご参照ください。
令和7年度 DXリスキリング助成金:東京しごと財団
令和7年度 DX リスキリング助成金 募集要項
弊社のSaaS型LMSである「Qualif(クオリフ)」を使ってeラーニング研修を受講いただく場合は、これらの助成金の要件を満たしています。
研修を受講される企業様であれば、Qualifを使って提供されるeラーニングをお選びいただきますと、本助成金の申請について弊社からもアドバイスを差し上げることが可能です。
また、自社の代理店など外部に研修の提供を考えておられる企業様であれば、Qualifを使って研修を実施していただく場合は、LMSの提供のみならず、eラーニング事業の立ち上げ全体のご支援も可能です。
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