第3回:プロレベルのコンセプト設計を実現|NottaAI+ChatGPTで思い通りのコンテンツ設計を

はじめに:教材開発における「コンセプト設計」の重要性

教材コンテンツの品質を高めるためには、緻密で魅力的な「コンセプト設計」が欠かせません。しかし、多くの教育コンテンツ開発の現場では、企画段階のコンセプト設計に時間や工数を十分に割けず、結果として表面的で平凡な教材になってしまうケースが多々あります。

そこでエデュニアでは、生成AIツール「NottaAI」と「ChatGPT」を組み合わせた独自のプロセスを開発しました。これにより、短時間でプロレベルの深い思考が行えるようになり、教材のコンセプト設計の品質が劇的に向上しました。

今回は、エデュニアが実際に取り入れている、この最新のAI活用法をご紹介します。
(執筆者:エデュニア株式会社 代表取締役 千葉佑介)

本シリーズの構成
本記事は全10本シリーズの3本目です。ぜひシリーズ全体を通してお読みください。

目次

1.「1人会議」でコンセプトの本質を掘り起こす|NottaAI活用法

コンテンツ設計のプロセスで最初に行うべきことは、「自分の考えを明確にすること」です。意外なことですが、頭の中にあるアイデアを一人で漠然と考えるだけでは整理されず、アウトプットの品質が上がりません。

そこで活用するのが「NottaAI」です。NottaAIとは、音声を即座に文字起こしし、記録・整理してくれるAIツールです。エデュニアでは以下のような方法でNottaAIを利用し、アイデアを具体化しています。

①NottaAIを使った「1人会議」の進め方

まず、コンテンツ設計を始める前に、NottaAIを起動して一人で思考の整理をします。この段階では、自由にテーマに関して感じること、思いつくことを話します。話す内容は断片的でも構いません。重要なのは、「とにかく声に出す」ことです。

例えば、

  • 「このテーマで重要なポイントは何だろう?」
  • 「受講者が知りたいことや困っていることは何か?」
  • 「この教材を通じて最終的に受講者はどう変わるのか?」

といった問いを自問自答しながら思考を音声化します。

②即座に文字起こしされるメリット

NottaAIの特徴は、その音声をリアルタイムで文字起こしし、テキストデータ化してくれることです。これにより、

  • 思考の整理が即座に視覚化される
  • 後から自分の考えを客観的に振り返りやすい
  • アイデアの抜け漏れを防ぐことができる

という効果があります。特に教材開発では、自分自身が感じていた小さな気付きや直感がコンセプト設計の核となることも多いため、このプロセスは非常に効果的です。

2.ChatGPT+Deep Researchで思考を深掘りしプロ品質に仕上げる

NottaAIで記録した思考の断片を整理した後、次に行うのがChatGPTを用いた思考の深掘り(Deep Research)です。このフェーズでは、AIと人間の対話によってアイデアを徹底的に掘り下げ、コンテンツの具体的な形を構築します。

①「深掘り」プロセスをChatGPTで実施するメリット

ChatGPTは、単に質問に答えるだけではなく、人間が提示する考えを多角的に分析・展開することが得意です。そのため、

  • 「このテーマに対して別の視点はないか?」
  • 「この考えをもっと深く掘り下げるとどんな示唆が得られるか?」
  • 「ユーザー目線で足りない要素は何か?」

といった問いかけを繰り返すことで、AIが新しい視点や論点を提示してくれます。これにより、自分だけでは気づかなかった観点や洞察が生まれ、コンテンツの品質が格段に上がります。

②具体的なDeep Researchの進め方

例えば、「リーダーシップ研修」をテーマにする場合、NottaAIで整理した内容をChatGPTに入力し、以下のような深掘りを実施します。

  • 「この教材で伝えるべき本質的な価値とは?」
  • 「他のリーダーシップ教材と差別化するポイントは?」
  • 「最近のリーダーシップに関する研究や統計データは?」

このプロセスを経て生まれたアウトプットは、根拠やエビデンスが明確で説得力のあるシナリオに仕上がります。

3.教材制作に繋がるポイントを議事録としてまとめる

ChatGPTによる深掘りが完了したら、最後に教材制作に役立つポイントを「議事録」という形で整理します。ここで重要なのは、あえて「議事録」という形式を取ることです。

①議事録化する意義とメリット

教材制作においては、最終的なアウトプットを明確にするため、次工程の作業者が簡単に参照できるような資料を作ることが非常に重要です。議事録という形式にすることで、

  • 思考の流れや意思決定の背景が明確になる
  • 制作メンバー間の認識のズレを防ぐことができる
  • コンテンツ制作の進行がスムーズになる

といった効果があります。

②議事録に盛り込むべきポイント

議事録を作成する際は、以下のようなポイントを盛り込んで整理します。

  • 教材の具体的な目的やゴール設定
  • ターゲットユーザーの課題・ニーズの明確化
  • AIによる深掘りで発見された新しい視点やコンテンツの強み
  • 今後の教材作成プロセスでの留意点や課題

こうした議事録をしっかりまとめることで、教材制作の作業効率を飛躍的に向上させ、質の高い教材を短時間で作り上げることが可能になります。

おわりに:エデュニアが提供するAI活用の「プロレベルのコンテンツ設計」

エデュニアでは、NottaAIやChatGPTなどの生成AIを駆使し、コンテンツ設計の工程を劇的に効率化しています。その結果、従来の人力中心の方法では考えられなかった高い品質と深みのある教材設計を短期間で実現できるようになりました。

もしあなたが教材設計の品質を向上させたいとお考えなら、ぜひエデュニアにご相談ください。下記のリンク先からクオークさん宛にお問い合わせをいただけましたらお返事を差し上げます。

私たちと共に、AI時代における教育コンテンツの可能性を最大限に引き出していきましょう。

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著者プロフィール

千葉 佑介(ちば ゆうすけ)

エデュニア株式会社代表取締役、H&Sホールディングス株式会社最高執行責任者(「ぼくのAIアカデミー事業担当」)を勤める傍ら、岩手県立大学ソフトウェア情報学研究科博士後期課程で製造業における教育サービスのDX関連の研究に従事。

熊本大学人文社会科学研究科教授システム学専攻博士後期課程卒。富士通株式会社で大学ビジネス営業企画と事業企画に携わった後、DMG森精機と野村総合研究所の合弁組織であるテクニウム株式会社にてDX教育サービスを立上げ、経済産業省補助事業「デジタルものづくり実践講座」のプロジェクトディレクターを務めた。

その後、AIリテラシーや生成AI活用に関する講座やワークショップを多数実施すると共に、生成AIと教育工学を駆使した教材制作および教育事業のDXコンサルティングに奔走中。

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