「キャリアアップ助成金」といえば、かつては正社員化1名につき80万円が受給できる制度として、多くの企業で活用されてきました。ところが、2025年度(令和7年度)の制度変更により、すべてのケースで80万円を受給できるわけではなくなり、2026年度(令和8年度)もこの枠組みが引き続き適用されています。
通常の正社員化では受給額が40万円ですが、「重点支援対象者」に該当すれば、昨年度同様に2期分80万円を受給することが可能です。
この「重点支援対象者」となる条件を読み解き、社労士による適切な申請サポートを受けることで、助成額を最大化することが可能です。
本記事では、2026年度の最新情報をもとに、制度変更のポイントをわかりやすく整理しながら、制度を利用する企業と社労士の皆さまにとってのメリットを解説します。

キャリアアップ助成金・正社員化コースが80万円から40万円に減額に
「キャリアアップ助成金」は非正規雇用から正社員への転換や、処遇改善の取組等を実施した事業主に対して助成するものです。
令和7年度の制度変更でキャリアアップ助成金・正社員化コースの受給条件が変更され、すべてのケースで80万円を受給できるとは限らなくなり、2026年度(令和8年度)もこの枠組みが継続しています。
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2025年度「キャリアアップ助成金 正社員化コース」の変更点をわかりやすく解説 | Qualif eラーニングラボ
「重点支援対象者」であれば80万円を受給可能
■キャリアアップ助成金・正社員化コースの受給額
キャリアアップ助成金・正社員化コースでは、対象者が「重点支援対象者」 と 「それ以外」 の2つに区分されます。
このうち「重点支援対象者」に該当する場合は、昨年度と同様に、中小企業の場合は1名あたり最大80万円、大企業の場合は1名あたり最大60万円 の助成金を受給することが可能です。しかし、重点支援対象者に該当しない場合の受給額は、中小企業40万円・大企業30万円と半額に減額されます。
これは、すべての労働者に一律に助成をするのではなく、正社員になることがより困難な方々を「重点支援対象者」として定義して、その方々に対して重点的に支援を行うという方針に基づくものと考えられます。
■支給額

■重点支援対象者とは
その「重点支援対象者」とは、以下のa~cのいずれかに該当する労働者のことを指します。
a:雇入れから3年以上の有期雇用労働者
b:雇入れから3年未満で、次の①②いずれにも該当する有期雇用労働者
①過去5年間に正規雇用労働者であった期間が合計1年以下
②過去1年間に正規雇用労働者として雇用されていない
c:派遣労働者、母子家庭の母等または父子家庭の父、人材開発支援助成金の特定の訓練修了者
a~cまでの大きく3パターンが定義されていますが、このうち企業が有期雇用の労働者を正社員に転換して80万円の受給を目指す場合に、その方の過去の雇用状況や、家庭の状況等に左右されることなく、すぐに重点支援対象者に該当させることができるのは、cに挙げられている「人材開発支援助成金の特定の訓練修了者」だけであるといえます。
aはその人を3年以上雇用している必要がありますし、bも条件に当てはまる人は多くありません。cの母子家庭の母・父子家庭の父を探して雇用するというのも簡単ではないのは言うまでもありません。
つまり、人材開発支援助成金に対応した研修を受講して重点支援対象者の要件を満たし、キャリアアップ助成金の2期分の受給を目指す、というのが、企業における取り組みとして最も実施しやすい方法ということになります。
■人材開発支援助成金とは
では、その「人材開発支援助成金」とはどのようなものかをみていきましょう。
人材開発支援助成金には7つのコースがあり(2026年4月現在)、それぞれに研修の内容や研修実施形態が決められています。
・人材育成支援コース
・事業展開等リスキリング支援コース
・人への投資促進コース
・教育訓練休暇等付与コース
・建設労働者認定訓練コース
・建設労働者技能実習コース
・障害者職業能力開発コース
(詳しくは→「人材開発支援助成金」厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/d01-1.html
このうち、キャリアアップ助成金と組み合わせることができるのは、
・人材育成支援コース
・事業展開等リスキリング支援コース
・人への投資促進コース
の3つのみです。
そして、企業が人材開発支援助成金の研修を受講させて重点支援対象者に該当させることを目指す場合は、「事業展開等リスキリング支援コース」の「eラーニング研修」を受講させるのが最適です。
人材育成支援コースは、研修費用に対する経費助成率が45%であったり、人への投資促進コースは、高度デジタル人材訓練は経費助成率が75%ですが、その名の通り高度な内容の研修が求められたりと、利用にはそれぞれ高いハードルがあるためです。
人材開発支援助成金・事業展開等リスキリング支援コースの詳細
キャリアアップ助成金と組み合わせるのに最適な、「人材開発支援助成金・事業展開等リスキリング支援コース」について、詳しくみていきましょう。
■助成率・経費助成限度額
事業展開等リスキリング支援コースに対応した研修を受講した場合の経費助成率は、中小企業で75%、大企業で60%となっています。つまり、研修受講費用の75%が助成されて戻ってくるため、実質的な負担は25%だけとなります。

支給の限度額は研修時間数に応じて以下の表のように決められており、10時間の研修を受講した場合は、1回あたり30万円(中小企業の場合)まで支給されます。

ただし、2026年度から、eラーニングによる研修の場合は、訓練時間数に関わらず経費助成限度額が中小企業で15万円、大企業で10万円に変更になりました。
【eラーニング研修の経費助成限度額】

2025年度まではeラーニングの経費助成限度額も30万円だったため、多くのeラーニング研修の受講費用は30万円~40万円に設定されていましたが、2026年度からは受講費用が下がることになると思われます。
■研修の要件
事業展開等リスキリング支援コースの研修の要件は、以下のように定められています。
- 訓練時間数が10時間以上であること
- OFF-JT(企業の事業活動と区別して行われる訓練)であること
- 次の①から③の いずれか に当てはまる訓練であること
- ①企業において事業展開を行うにあたり、新たな分野で必要となる専門的な知識および技能の習得をさせるための訓練
- ②事業展開は行わないが、事業主において企業内のデジタル・デジタルトランスフォーメーション(DX)化やグリーン・カーボンニュートラル化を進めるにあたり、これに関連する業務に従事させる上で必要となる専門的な知識及び技能の習得をさせるための訓練
- ③企業内の人事及び人材育成に関する計画に基づき、今後従事することが予定される職務に必要となる専門的な知識及び技能の習得をさせるための訓練
3の研修内容については、①と③は受講する企業の事業に合わせて研修を個別に作る必要があるため対応が難しく、また②のうちのグリーン・カーボンニュートラルに対応した研修を用意するのは、グリーン・カーボンニュートラルの内容だけで10時間分のネタを用意するのが難しい、そこまでのボリュームの研修にすることが難しいということがあり、結果的にデジタル・トランスフォーメーション(DX)に関する知識を学ぶための研修が圧倒的に多く提供されています。
また、2026年度の制度改正で新たに加わった「人事及び人材育成に関する計画に基づく訓練」については、中小企業の場合に認定経営革新等支援機関(中小企業診断士・税理士・金融機関等)による事前確認が必要となることから、従来の「DX化に伴う訓練(eラーニング)」を利用するのが、本記事で解説する「重点支援対象者への該当」を目的とした活用ケースでは引き続き最も簡便な方法といえます。
■研修の提供形態
研修の提供形態としては、
- 通学制
- 同時双方向型の通信訓練
- eラーニング
- 通信制
- 定額制サービスによる訓練
が認められていますが、受講者の利便性を考えると3番のeラーニングが、場所や時間の制約なしに受講できて、便利なのはいうまでもないでしょう。
つまりまとめると、
人材開発支援助成金・事業展開等リスキリング支援コースに対応した研修としては、
①10時間以上の長さの
②デジタル・トランスフォーメーション(DX)関連の知識を学ぶ
③eラーニング研修
を受講するのが最も良いと言えます。
Qualif(クオリフ)のeラーニング研修『生成AI時代のDX』のご紹介
■Qualifのeラーニング研修『生成AI時代のDX』の特徴
Qualif(クオリフ)では、キャリアアップ助成金・正社員化コースの重点支援対象者の要件にぴったりの、人材開発支援助成金・事業展開等リスキリング支援コースに対応したeラーニング研修『生成AI時代のDX』を提供しています。
Qualifのeラーニング研修『生成AI時代のDX』の特徴は以下の通りです。
- 受講費用は1人あたり税込10万円で、75%が助成されると、実質負担は1人あたりわずか2.5万円です。
- 業務に役立つデジタル・トランスフォーメーション(DX)や生成AIに関する知識を学ぶことができ、キャリアアップ助成金を受給するための研修ではなく、DXについて学べる研修としてしっかりと役に立つ内容になっています。
- 人材開発支援助成金の要件を満たしています。(10時間の研修で、LMSに載せて配信され、受講状況の記録を取ることができます)
■Qualifのeラーニング研修「生成AI時代のDX」の目次
「生成AI時代のDX」は全5章・36本の動画で構成されています。生成AIを日々の業務に最大限に活用して自身の仕事の効率化を目指していくだけではなく、業務効率化からビジネスモデル変革までを自分事として推進できる「DX人材」になることを目指しています。
第1章 DXの再定義と生成AIの衝撃
・DXとは?デジタル化との違い
・なぜ今DXが求められるのか(社会背景と日本の課題)
・AIの進化と生成AIとは何か
・生成AIの仕組みと特徴をやさしく解説
・DXと生成AIの関係と業務の変化
・DX・AI活用の最新実例紹介
・DX・AI導入でありがちな失敗とその背景
第2章 生成AI活用実践
・AIへの指示(プロンプト)って何?基本の考え方
・伝わるプロンプトの作り方・失敗例とコツ
・AIで文章・要約・翻訳・アイデア出しに挑戦
・AIで画像・動画も作ってみよう
・AI出力を“うのみにしない”コツ(ファクトチェックの実践)
・自分の業務に合わせたプロンプトを作成しよう
・主要ツールの使い方(ChatGPT/Copilot)
第3章 ビジネスモデル変革と価値創造
・AIと業務システムの連携・自動化アイデア
・自動化アイデア・営業部門での生成AI活用と工夫
・事務・総務業務のAI活用ポイント
・企画・開発・マーケティングでの生成AI応用
・人事・教育・管理業務のAI活用
・カスタマーサポート・チャットボットの活用
第4章 組織内でのDX 推進
・さまざまな現場の“壁”と乗り越え方
・小さな成功体験から始めるDX推進ストーリー
・AI活用を職場に広げる工夫とコミュニケーション
・AI活用のリスクとトラブル事例
・情報セキュリティ・個人情報・社内ルールの基本
・AI時代の著作権・法規制
・AI倫理とバイアス:公平性・透明性をどう守るか
・AIの“誤情報”・炎上事例と再発防止策
・自社・自分のガイドラインを作ってみよう
・データ活用の考え方・AIで広がる業務改革
・生成AIで新しいサービス・事業を生み出す発想法
・デザイン思考×生成AIで顧客価値をつくる
第5章 まとめ
・まとめ:明日からのアクションを考える
・AI時代のキャリアと学び方・リスキリングのヒント
キャリアアップ助成金の重点支援対象者に該当させることだけを目的にしたeラーニングではなく、業務にしっかりと活用いただける内容を盛り込んでいますが、一方で、非正規雇用の方が正社員になって勤務を行う場合にも役立つ内容になるよう配慮しています。
社労士の皆さまにとってのメリット
■社労士の皆さまにとってのメリット
2025年度からキャリアアップ助成金が減額され、2026年度も同様の枠組みが継続しています。顧問先企業がキャリアアップ助成金の利用をためらうケースが出てきた場合に、Qualifのeラーニング「生成AI時代のDX」を組み合わせていただくことで、キャリアアップ助成金80万円と人材開発支援助成金7.5万円を受給することができ、顧問先企業の助成金利用を後押しすることが可能となります。
また、事業展開等リスキリング支援コースは令和8年度末(2027年3月末)が最終年度となる見込みですので、活用のラストチャンスでもあります。社労士の皆さまにとっては、2つの助成金の申請を支援することになり、手数料収入の増加にも繋がります。
そして、Qualifのeラーニング研修『生成AI時代のDX』は、DXを業務に活用する方法を学ぶことができる内容となっており、顧客先企業様の人材育成やDX化の推進にも貢献することが可能です。
■キャリアアップ助成金×人材開発支援助成金を活用し、助成額を最大化する方法
ここまでご説明してきたスキームを簡単な絵で再度ご紹介します。
非正規の従業員を単に正社員にするだけでは、左側の絵のようにキャリアアップ助成金を40万円しか受給することはできません。
しかし、ここで人材開発支援助成金に対応したQualifのeラーニング研修『生成AI時代のDX』の受講をしていただくと、重点支援対象者に該当することとなり、キャリアアップ助成金80万円と人材開発支援助成金7.5万円を受給できます。

ぜひこのスキームの活用をご検討ください。
よくある質問(キャリアアップ助成金)
Q1. 2026年度(令和8年度)のキャリアアップ助成金・正社員化コースの受給額は?
A. 中小企業が「重点支援対象者」に該当する有期雇用労働者を正社員に転換した場合、1名あたり最大80万円(40万円×2期)が支給されます。重点支援対象者に該当しない場合は40万円(1期のみ)、大企業の場合は重点支援対象者で最大60万円、それ以外で30万円です。2025年度に導入された重点支援対象者区分は2026年度も継続して適用されています。
Q2. 「重点支援対象者」とはどのような労働者を指しますか?
A. 重点支援対象者とは、以下のa~cのいずれかに該当する有期雇用労働者です。
a:雇入れから3年以上の有期雇用労働者
b:雇入れから3年未満で、過去5年間の正規雇用期間が合計1年以下、かつ過去1年間に正規雇用されていない有期雇用労働者
c:派遣労働者、母子家庭の母等または父子家庭の父、人材開発支援助成金の特定の訓練修了者
企業側で取り組みやすいのはcの「人材開発支援助成金の特定の訓練修了者」で、対象者にDX関連のeラーニング研修を受講させることで重点支援対象者に該当させることが可能です。
Q3. キャリアアップ助成金で40万円しか受給できないケースを80万円に増やす方法はありますか?
A. あります。人材開発支援助成金「事業展開等リスキリング支援コース」の対象訓練(10時間以上のDX関連eラーニング等)を受講させ、「重点支援対象者」の要件を満たす状態にしてから正社員転換することで、キャリアアップ助成金80万円と人材開発支援助成金7.5万円、合計87.5万円を受給できる可能性があります。
Q4. 人材開発支援助成金・事業展開等リスキリング支援コースの助成率は?
A. 中小企業の経費助成率は75%、大企業は60%です。受講者1人あたりの経費助成限度額は、10時間以上100時間未満の訓練で30万円、100時間以上200時間未満で40万円、200時間以上で50万円(いずれも中小企業)となっています。
(ただし、2026年度から、eラーニングによる研修の場合は、訓練時間数に関わらず経費助成限度額が中小企業で15万円、大企業で10万円に変更となりました。)
Q5. 事業展開等リスキリング支援コースはいつまで利用できますか?
A. 事業展開等リスキリング支援コースは、令和4年度から令和8年度までの期間限定制度で、令和8年度(2027年3月末まで)が最終年度となる見込みです。活用を検討している企業は早めに申請準備を進めることをお勧めします。
Q6. 2026年度の制度改正で事業展開等リスキリング支援コースは何が変わりましたか?
A. 2026年度の制度改正により、従来の「①事業展開に伴う訓練」「②DX化・グリーン/カーボンニュートラル化に伴う訓練」に加え、「③企業内の人事及び人材育成に関する計画に基づく訓練」が新たに助成対象に追加されました。ただし、中小企業が③の類型を利用する場合は、あらかじめ認定経営革新等支援機関(認定支援機関)による計画内容の確認を受ける必要があります。
Q7. キャリアアップ助成金と人材開発支援助成金は併用できますか?
A. 併用可能です。人材開発支援助成金のうち「人材育成支援コース」「事業展開等リスキリング支援コース」「人への投資促進コース」の3つはキャリアアップ助成金と組み合わせることができます。特に、事業展開等リスキリング支援コースのeラーニング研修を受講させることで、受講者がキャリアアップ助成金・正社員化コースの「重点支援対象者」に該当するようになり、両方の助成金を受給できます。
Q8. eラーニングでも人材開発支援助成金の対象になりますか?
A. なります。事業展開等リスキリング支援コースでは、通学制・同時双方向の通信訓練・eラーニング・通信制・定額制サービスによる訓練の5つの提供形態が認められています。eラーニングは場所や時間の制約なく受講できるため、受講者の負担が少なく、最も活用しやすい形態です。
Q9. 社労士が顧問先企業にこのスキームを提案するメリットは何ですか?
A. 社労士にとっては、キャリアアップ助成金と人材開発支援助成金という2つの助成金の申請支援を行うことになるため、手数料収入の増加につながります。また、顧問先企業にとっては減額された助成金を再び満額で受給できる道筋を示すことになり、助成金の利用を後押しできます。令和8年度末で事業展開等リスキリング支援コースが終了する見込みのため、2026年度中の提案タイミングが特に重要です。
Q10. Qualifの『生成AI時代のDX』は人材開発支援助成金の要件を満たしていますか?
A. 満たしています。Qualifの『生成AI時代のDX』は、10時間の研修時間・OFF-JT形式・DX関連の専門的知識の習得という事業展開等リスキリング支援コースの要件を満たしており、LMSによる受講状況の記録にも対応しています。受講費用は1人あたり税込10万円で、75%が助成されるため実質負担は1人あたり2.5万円となります。
(ただし、助成金の受給を保証するものではない点にはご留意ください)
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