クラウド型LMS導入でeラーニングの受講履歴の課題はどう解決する?

eラーニングはインターネットを利用する学習形式です。時間や場所を選ばず学習できることから、多くの企業で導入が進んでいます。eラーニングは便利ですが、対面式研修とは違い受講者が一人で学習を進めるため、その進捗状況を管理することが難しいという課題があります。特に、多くの受講者を抱える企業の場合、教育担当者が膨大な管理業務に追われ、本来の「教育の質を高める」ための時間が奪われてしまうこともあります。

しかしこの問題は、LMS(Learning Management System:学習管理システム)を導入することで、大きく軽減することができます。本記事では、eラーニングの受講履歴について起こりがちな課題と、LMSを活用するメリットについてわかりやすく解説します。

参考記事はこちら↓
LMSとは ~学習管理システムの基本から応用まで、機能と活用、これからを知る~ | Qualif eラーニングラボ

目次

eラーニングの受講履歴はなぜ必要か

eラーニングの受講履歴は、教材の進捗状況や確認テストの結果、受講時間など、学習管理に欠かせない情報です。eラーニングの受講による効果を人材育成に活用していくためには、受講履歴を適切に管理することが必要です。

学習状況が適切に管理されていないと、従業員がどれだけの知識を身につけたかを正確に把握できません。例えばセキュリティやコンプライアンス等、確実に理解できていないと、不祥事を引き起こすリスクが高くなります。企業の責任問題に発展し、社会的信頼の低下にもつながってしまうでしょう。

また、従業員の学習状況が把握できていないと、今後の研修計画や人事異動のデータとして役立てることができません。最適なタレントマネジメントが実現できず、企業の人材育成効果が得られないことになってしまいます。

これらの課題を解決し、研修投資を無駄にしないために、LMSを活用して、eラーニングの受講履歴を適切に管理していきましょう。

参考記事はこちら↓
タレントマネジメントとは?~人材をコストから資産へ変える人事戦略~ | Qualif eラーニングラボ

eラーニングの受講履歴管理の課題

◎正確に記録できない
eラーニングは各自が自分のペースで受講できるため、学習ペースは個人に任せられています。そのため進捗状況やテスト結果を受講者の自己申告で管理すると、正確に記録できない恐れがあります。正しい教材を受講したかどうか、受講の完了を申告したかどうか、コンテンツをきちんと視聴したかどうかなど、学習状況を実態に即した履歴にするためには、本人による申告だけではない工夫が求められます。

◎作業工数が多い
学習者の受講状況を管理部門が手動で入力・集計する場合、大きな手間と時間がかかります。受講者の人数や属性、研修の種類が複雑になるほど、作業工数も多くなり、負担の度合いも高まります。受講前には受講履歴を調べ、対象者をピックアップし、個別に通知する。受講後には受講の完了状況やテスト結果を集計する。それぞれを手作業で行うと、入力ミスやデータの抜け漏れが発生するリスクがあるでしょう。

◎活用が難しい
管理者にとっても受講者自身にとっても、受講済みの研修データは、今後のキャリア形成において重要な情報ですが、受講履歴が正確かつ体系的に保存されていないと、適切に活用することができません。手作業による受講履歴管理の場合、膨大なデータの中から必要な情報を見つけ出すことが難しく、検索機能や整理手段に多くの課題があります。

◎管理が複雑
近年の企業研修では、eラーニングと集合研修を組み合わせたブレンディッドラーニングが注目されています。受講者の研修履歴として、eラーニングだけでなく、集合研修や外部研修の受講実績も合わせて管理できれば、人材育成施策として活かせるでしょう。また従業員が別の部署に異動する場合には受講データの引継ぎが必要となりますが、こういった記録も、企業の規模が大きくなれば管理部門が手作業で正確に行うには、限界があります。

LMS導入による課題の解決

LMSは、eラーニングにおける教材や学習状況を管理するツールです。

LMSを導入することで、eラーニングの受講履歴管理における課題を解決することができます。

◎正確な記録
LMSでは学習の情報が詳細に記録されます。学習者が受講したコースごとに、開始日時や修了日時、進捗状況や視聴回数、学習時間などのデータが保存されます。テストの結果や成績、提出物も確認できます。システムによる自動作業なので、リアルタイムで保存でき、正確です。これらの情報をまとめて一覧表示すれば、学習者の受講状況が簡単に把握できます。

◎作業工数の軽減
従来は手作業で行っていた履歴管理業務も、LMSの導入で大幅に効率化できます。先に述べた学習情報のデータがそのまま蓄積され、成績集計やリマインドメールの送信などにかかる作業時間も大きく短縮されます。
その結果、研修担当者はこれまで作業にかけていた時間を別の業務に充てることができるようになります。研修内容の改善や受講者のフォローアップなど、より質の高い研修の実施を目指せるでしょう。

◎活用方法
LMSでは、受講履歴情報をCSV形式などで出力できます。CSV形式とは、値や項目をカンマで区切って書いたテキストファイルのことです。汎用性が高いので、用途に合わせて様々なソフトで開くことができ、正確な情報を簡単に扱うことが可能です。
また、LMSの権限を設定することにより、部署ごとなどの小さい組織単位で受講管理が行えます。
さらにLMSの受講履歴管理機能は、様々な条件でのフィルタリングができます。年次や役職だけでなく、受講履歴も含んだ絞り込みが迅速にでき、今後の研修計画や戦略的な人的資本の管理に役立ちます。

◎一元管理
LMSを一本化して受講履歴を管理すれば、eラーニングだけでなく、集合研修や外部研修の受講履歴も一元管理できます。例えばeラーニングで事前に知識をインプットし、対面式研修で実技などを実践。その後eラーニングで確認テストやアンケートの回答を行う、という手順のブレンディッドラーニングを実施した場合、受講者がすべての受講を修了したことがまとめて記録され、正確な履歴管理ができます。
また、LMSの一元管理機能であれば、従業員の所属部署が変わっても、一人一人の学習履歴が記録されているので、従業員の将来のキャリアデザインに大きな役割を果たします。

LMS導入でできるeラーニングの受講履歴管理
正確な記録・コースごとに、開始日時や修了日時、進捗状況や視聴回数、学習時間などのデータをリアルタイムで保存 ・テストの結果や成績、提出物の確認
作業工数の軽減・上記のデータを自動的に記録・保存・蓄積
・学習情報のデータに基づいて、成績集計やリマインドメールの送信
活用方法・受講履歴情報をCSV形式などで出力
・権限設定により、組織単位で管理できる
・フィルタリング可能
一元管理・集合研修や外部研修の受講履歴も一元管理
・部署が変わっても一人一人の研修履歴を把握

以上のように、LMSを活用することで、eラーニングの受講履歴管理の主な課題を解決することができます。

LMSによって、受講履歴の細かさは異なるので、LMSを導入する際には、「自社にとってどんな機能が必要か」を明確にすることが必要です。導入の目的に合わせて機能を検討し、選定していきましょう。

受講履歴管理機能の要件については、下の記事で詳しく説明しています。
LMSの選定方法(機能比較リスト付) ~機能比較で失敗しないために~

FAQ(よくあるお問合せ)

Q1 eラーニング教材を飛ばし見したら、履歴はどうなりますか?
A LMSの中には、飛ばし見防止機能が付いたものがあります。例えば実際の動画の時間 に対して、その再生時間が短いことが記録されていれば、きちんと視聴していないことが分かります。また、シーク機能や早送りの可否を教材ごとに設定できる場合もあり、これを設定することで飛ばし見防止につながります。

Q2 受講履歴を管理することで、従業員のやる気アップにつながりますか?
A 受講が進んでいない学習者に、メールで教材の視聴を促すことができます。個別に対応できるので、受講が進まない理由や疑問点の聞き取りができ、きめ細かいフォローアップが可能になります。また、コミュニケーション機能を備えたLMSもあるので、受講者同士のやり取りや講師との質疑応答などを推奨することで、受講者のモチベーションの維持が図れるでしょう。

Q3 LMSで保存した受講履歴は助成金の申請に使えますか?
A 厚生労働省が実施している人材開発支援助成金等を申請する場合に、受講修了の証明として、受講履歴の提出が必要になります。LMSを活用したeラーニングであれば、受講期間や受講時間の合計、教材内容などの履歴が正確に記録されているため、受講証明資料として認められています。

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まとめ

本記事では、LMSで受講履歴管理を行うメリットについてご紹介しました。LMSを活用することで、eラーニングの受講履歴管理は大幅に効率化できますし、詳細な学習データの蓄積によって、研修効果が客観的に把握でき、分析・活用することができます。

LMSを導入して受講履歴を管理する際には、解決したい課題を明確にしたうえで、そのニーズを満たすものを選んでいきましょう。

これからeラーニング教材を活用した教育を始めようと考えている方、LMSで正確な受講履歴管理を実現しようとしている方は、ぜひQualif(クオリフ)のご利用をご検討ください。

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