e ラーニングコンテンツを内製化!継続的に作成する4つの方法

eラーニングに取り組むためには、コンテンツ(教材)作成の体制が必要です。実際に多くの企業が、eラーニングコンテンツの継続的な作成に頭を悩ませています。しかし、自社を見渡してみると、eラーニングの研修動画に転用できるネタが見つかる場合が多くあります。

当記事では、「eラーニングのコンテンツ作成を効率よく進めたい」「研修動画作成の最適なやり方を知りたい」といった課題に対し、eラーニングコンテンツ動画を内製で作成する4つの方法と、そのメリット・デメリットを解説します。自社で持つ教材の内容や目的に合わせて選択しましょう。

目次

【コンテンツを内製化する方法①】
オンライン研修を録画してeラーニングコンテンツにする

ZoomやMicrosoft Teamsなどを利用して実施したオンライン研修を録画しておき、必要に応じて編集してeラーニングコンテンツとして利用する方法です。録画時の無駄な部分(休憩時間や雑談)をカットし、コンパクトな研修動画を作成します。

メリット

  • 効率的: オンライン研修として実施したものをeラーニングコンテンツ作成にそのまま使えるため、一石二鳥。
  • 現実感のある教材: 実際の研修内容を活用するため、受講者にとってもリアルで実践的な内容の教材ができる。
  • コスト削減: 追加撮影や制作が不要。最低限の動画の編集だけでeラーニングコンテンツを作成できる。

デメリット

  • 内容の固定化: 録画した内容はそのまま利用されるため、後日修正や変更が必要になった場合には部分的な録り直しが必要になる。
  • 編集作業の負担: オンライン研修の内容や講師の話し方によっては、カットや編集に時間がかかる。

【コンテンツを内製化する方法②】
PowerPointの機能でスライドにナレーション音声を吹き込む

PowerPoint自体の機能として、スライドに音声を録音する機能があります。これを利用して、講師がPowerPointスライドとナレーション音声とが同期したeラーニングコンテンツを作成することができます。スライド単位で録音することができ、音声合成ソフトを使うよりも自然なナレーションになります。また、後日修正があった場合も、スライド単位で修正・差し替えが可能です。

メリット

  • 作成が簡単: パソコンにイヤホンやマイクをつなげ、PowerPointのスライド単位で録音することができるため、非常に手軽にコンテンツを作ることができる。
  • 臨場感がある: 人間の声でのナレーションは、抑揚や感情が加わり、受講者にとって聞きやすい。
  • ブランド強化: 自社の講師の声を使うことで、企業の一貫性をアピールできる。

デメリット

  • 講師の時間が取られる: 講師自身に録音を依頼することになり、講師の工数を取ってしまう。
  • 手抜きコンテンツに見えかねない:手軽に作れる反面、受講する側から見ると、作り込んだコンテンツに見えない(=手抜きコンテンツに見えてしまう)可能性がある

【コンテンツを内製化する方法③】
PowerPointスライド+音声合成ナレーションで作成する

PowerPointスライドに、音声合成ソフトウェアで作成したナレーション音声を組み合わせて、スライドと音声が同期したコンテンツを作成します。最近の音声合成ソフトの品質は、人が話すのと遜色ないレベルになってきています。特に、頻繁に改訂されるコンテンツの場合は、ナレーションの録り直しを避けることができるため、音声合成の利用が向いています。

メリット

  • スピーディーな更新: 音声合成を活用することで、改訂が頻繁な教材でも迅速に対応可能。
  • 品質の向上: 最新の音声合成ソフトは、自然な発音が可能で、聞き取りやすい。
  • 講師の負担が小さい: ナレーションがあれば、音声合成でナレーション音声を作って動画を作成するのは別の担当者で実施できるため、講師自身の工数は少なくて済む。

デメリット

  • 機械的な印象: 合成音声のため、一部の受講者には不自然に感じられる場合がある。
  • 感情表現の欠如: 感情や熱意を含めた表現力が、人間のナレーションには及ばない。
  • 作成の手間が掛かる: PowerPoint、音声合成ソフト、動画編集ソフトの3つのソフトウェアを使って動画を作る必要があり、作成に手間が掛かります。

【コンテンツを内製化する方法④】ブルーバックスタジオで撮影する

講師が講義を行う姿をブルーバックスタジオで撮影し、PowerPointスライドと合成して動画コンテンツを作成します。スライドと映像を合成した見た目もリッチでわかりやすいコンテンツになりますが、スタジオでの撮影が必要となるため、講師の負担は大きくなり、コストも掛かります。

メリット

  • 高品質で魅力的な仕上がり: 見た目のリッチさと、分かりやすさが受講者のモチベーションを高める。
  • 企業イメージの向上: プロフェッショナルな仕上がりがブランド価値を高める。

デメリット

  • コストが高い: 撮影スタジオのレンタルや編集作業に費用がかかる。
  • 講師の負担が大きい: 講師の準備や拘束時間が長くなりやすい。一般的には、動画のできあがりの長さの2~3倍の撮影時間がかかる。

eラーニングコンテンツ制作手法の選択のポイント

上述したeラーニングコンテンツ制作手法の中から、メリット・デメリットを考慮して選択することができます。「教材作成を継続して実施するために何を重視するのか」が判断のポイントです。

スピード重視: 更新頻度が高い場合は、③の音声合成ナレーションを活用。
コスト重視: 費用を抑えるなら①のオンライン研修録画や③の音声合成を利用。
高品質重視: ブランドやイメージを重視するなら④のスタジオ撮影。
バランス重視: 講師自身のナレーションを使い、かつ、コストを抑えたい場合は、①の講師による録音を選択。

たとえば、プロトタイプ動画を作成し、実際に受講者に試してもらったフィードバックをベースに改善を重ねていく(学習教材のPDCAサイクルを回す)のであれば、スピードや編集コストを重視することになります。コンテンツ改善のために受講者の意見を収集するユーザーフィードバックの仕組みは、LMSのアンケート機能を利用して実現可能です。

効率的な制作のために、テンプレートを用意しておくのも効果的です。PowerPointスライドのデザインテンプレートや動画の目次構成の雛形を準備しておくことで、eラーニングコンテンツの制作時間を短縮することができます。

eラーニングコンテンツ作成の方法は、コスト、時間、品質のバランスを考慮し、自社の目的に最も適したものを選ぶことが、継続のカギです。それぞれの方法を比較検討し、効率的かつ効果的な教材を提供しましょう。

なお、制作の予算に余裕がある場合は、内製化ではなく外部の専門家に依頼することで、制作に関する知見と成果物の両方を得ながら、研修の企画立案や研修実施後の効果測定などの本来の業務に時間を割くことができます。

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