はじめに:教育業界の変革とAIの可能性
近年、教育業界ではデジタルトランスフォーメーション(DX)が急速に進展しています。特に新型コロナウイルス感染症の流行を機に、オンライン教育やeラーニングが広く普及しました。しかし、多くの教育現場では、いまだに大量の手作業や非効率なプロセスに悩まされているのが現状です。
この課題を劇的に解決するカギとなるのが、生成AI(ジェネレーティブAI)です。生成AIは、従来人間が担ってきた教材制作業務を効率化し、高品質化する可能性を秘めています。
今回は、私たちエデュニア株式会社が実際に行っている生成AIを活用した教育コンテンツ制作の具体的プロセスをご紹介します。教育コンテンツの開発を担当されている方々が、自社の現場にすぐに取り入れられるヒントを提供します。
(執筆者:エデュニア株式会社 代表取締役 千葉佑介)
本シリーズの構成
本記事は全10本シリーズの1本目です。ぜひシリーズ全体を通してお読みください。
- (本記事)第1回:生成AIで教育コンテンツ制作が劇的に変わる!最新プロセス徹底解説
- 第2回:テーマ選定とリサーチを効率化する|AIを活用した効果的な情報収集術
- 第3回:プロレベルのコンセプト設計を実現|NottaAI+ChatGPTで思い通りのコンテンツ設計を
- 第4回:教材制作の要|ChatGPTで作る効果的なカリキュラム設計のポイント
教育コンテンツ制作の課題と生成AIの役割
教育コンテンツ制作の現場には共通する課題があります。
- 膨大な情報収集・リサーチに多大な時間がかかる
- 内容の精査や体系化に人手を要する
- 教材の質や内容が属人的でばらつきが生じる
- スライド作成やナレーション原稿作成など、人的負担が非常に大きい
これらの課題を解決するためにエデュニアが導入したのが、「Perplexity AI」や「ChatGPT」、「Gamma」などの最先端の生成AIツールです。
生成AIは、「人間のクリエイティブな仕事を奪う」のではなく、「人間のクリエイティブを加速させ、より質の高い教育コンテンツの制作を可能にする」存在であると私たちは考えています。
具体的な生成AI活用プロセスの全貌
ここからは、私たちエデュニアが行う具体的な生成AI活用のフローを解説します。
①テーマ選定・リサーチ(Perplexity AI)
教材制作の第一歩は、適切なテーマの選定と信頼性のある情報収集から始まります。従来、この作業は数週間を要することもありましたが、エデュニアでは「Perplexity AI」を活用し、数日以内で幅広い文献や最新トレンドを収集しています。
AIが自動的に関連性の高い情報を整理して提示するため、スタッフは短時間で質の高いインプットを得られます。


②カリキュラム構築(ChatGPT)
次に、収集した情報をもとに、「ChatGPT」を用いて精密なカリキュラムを生成します。AIが生成するのは単なる大まかなアウトラインではなく、受講対象者、前提条件、学習目的、具体的な講義構成、各セクションのボリュームまで含まれた詳細な内容です。
エデュニアでは、この段階の精度を重視しており、教材制作の土台となる重要な工程として位置づけています。


③コンテンツ精査と品質管理(人間の役割)
生成AIを使ううえで重要なのは、「AIが生成したコンテンツをそのまま利用しない」ことです。エデュニアでは、経験豊富な教育専門スタッフがAIの生成物を厳密にチェックし、修正や加筆を加えています。これにより、生成AIのアウトプットを最大限活かしつつも、最終的な品質担保を確実に行っています。
④スライド・ナレーション原稿作成(Gamma・ChatGPT4.5)
実際の授業用スライドやナレーション原稿の作成では、「Gamma」というスライド生成AIと最新の「ChatGPT4.5」を使用しています。Gammaによって効率的にスライド構成を作成し、ChatGPT4.5でナレーション原稿を高精度に作成します。このプロセスにより、従来数十時間かかっていた作業を数時間で完了できるようになりました。
⑤補助教材・プロモーション資料の生成(ChatGPT)
また、小テストや受講生向け配布資料、プロモーション資料の作成もChatGPTを活用しています。特にプロモーション動画(PV)用のシナリオやセールス用の補助資料の生成にも力を入れており、スピーディーな教材リリースやマーケティング活動を支えています。
動画教材制作にも生成AIが大活躍
近年、動画教材の需要が急速に増加していますが、その制作コストが大きな負担となっています。エデュニアでは動画制作においても生成AIをフル活用し、低コストかつ高品質な教材提供を実現しています。
具体的には以下のAI技術を活用しています:
- D-ID:リアルな人物アバターを使った自然な講義動画の生成
- Voicepeak:高品質な日本語音声の生成
- VoicePresenter:生成したスライドと音声を自動同期させた完成動画の作成
これにより、従来の数十分の一のコストと工数でプロ品質の教材動画を提供できるようになりました。
エデュニアが提供する独自の価値と実績
エデュニアは、生成AI活用の最前線に立ち、多くの実績を重ねています。
- 教材制作工数を従来比最大70%以上削減
- 教材品質の向上と安定化を同時に実現
- 大手企業や自治体からの教材開発・DX推進の依頼多数
これらの成果を通じて、私たちは教育現場や企業における教育コンテンツ制作の新たなスタンダードを構築しつつあります。
おわりに:教育業界の未来をエデュニアと共に創りませんか?
生成AIの可能性を最大限に引き出すためには、高度な専門性と実践的ノウハウが求められます。エデュニアは、この領域におけるパイオニアとして、お客様のニーズに合った生成AI活用の提案から実行までをトータルに支援しています。
教育コンテンツ制作における課題を解決し、さらに一歩先の教育DXを実現したい方は、ぜひ私たちエデュニアにご相談ください。下記のリンク先からクオークさん宛にお問い合わせをいただけましたらお返事を差し上げます。
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著者プロフィール
千葉 佑介(ちば ゆうすけ)

エデュニア株式会社代表取締役、H&Sホールディングス株式会社最高執行責任者(「ぼくのAIアカデミー事業担当」)を勤める傍ら、岩手県立大学ソフトウェア情報学研究科博士後期課程で製造業における教育サービスのDX関連の研究に従事。
熊本大学人文社会科学研究科教授システム学専攻博士後期課程卒。富士通株式会社で大学ビジネス営業企画と事業企画に携わった後、DMG森精機と野村総合研究所の合弁組織であるテクニウム株式会社にてDX教育サービスを立上げ、経済産業省補助事業「デジタルものづくり実践講座」のプロジェクトディレクターを務めた。
その後、AIリテラシーや生成AI活用に関する講座やワークショップを多数実施すると共に、生成AIと教育工学を駆使した教材制作および教育事業のDXコンサルティングに奔走中。