第2回:テーマ選定とリサーチを効率化する|AIを活用した効果的な情報収集術

はじめに:教育コンテンツ制作における「情報収集」の重要性

教育コンテンツの品質は、その基礎となる「情報収集」の精度によって決まります。教材作りではテーマの最新動向や信頼性の高い文献を的確に選定し、それらを体系的に整理することが求められます。

実際に弊社エデュニアが多くの企業や教育機関からご相談をいただく中で、最も多く挙げられる課題の一つが「リサーチ作業の負担が非常に大きく、教材開発の時間を圧迫している」というものです。

今回は、私たちが実践している生成AI「Perplexity AI」を活用した効率的かつ深い情報収集法をご紹介するとともに、その調査結果を教材シナリオ構成に組み込むことで生まれる、エビデンスに裏付けられた説得力の高いコンテンツ開発について詳しくお伝えします。 (執筆者:エデュニア株式会社 代表取締役 千葉佑介)

本シリーズの構成
本記事は全10本シリーズの2本目です。ぜひシリーズ全体を通してお読みください。

  • 第1回:生成AIで教育コンテンツ制作が劇的に変わる!最新プロセス徹底解説
  • (本記事)第2回:テーマ選定とリサーチを効率化する|AIを活用した効果的な情報収集術
  • 第3回:プロレベルのコンセプト設計を実現|NottaAI+ChatGPTで思い通りのコンテンツ設計を
  • 第4回:教材制作の要|ChatGPTで作る効果的なカリキュラム設計のポイント
目次

コンテンツ開発における情報収集の課題とは?

教育コンテンツの開発現場では、以下のような課題が常に存在しています。

  • 膨大な情報の中から適切な内容を選ぶ難しさ
  • 情報の信頼性が判断しにくく、精査に多くの時間を要する
  • 収集した情報を整理・体系化する際に属人的なスキルに依存する

例えば、特定のテーマに関する教材を作成する場合、一般的にはWeb、書籍、論文など多数の情報源から内容を抽出し、それらの情報を正確に精査する必要があります。しかし、現代の情報過多な状況下では、どの情報が本当に信頼でき、教材として価値あるものなのかを判断すること自体が困難になっています。

こうした課題を根本的に改善するために私たちエデュニアが導入したのが、生成AIを活用した情報収集の高度化です。

Perplexity AIを活用した情報収集プロセス

エデュニアでは、生成AIツール「Perplexity AI」を用いて効率的に情報を収集し、それを教材コンテンツ構築の核として活用しています。具体的な流れを以下にご説明します。

①明確なテーマ設定と検索キーワードの最適化

AIを効果的に活用するためには、テーマ設定を明確かつ具体的に行い、それに適した検索キーワードを設定する必要があります。

例えば、「デジタルマーケティングの最新手法」という教材テーマであれば、

  • 「デジタルマーケティング 最新 2025年 トレンド」
  • 「SEO SNS コンテンツマーケティング 比較」
  • 「海外デジタルマーケティング 成功事例 調査報告」

などのクエリを活用して検索を行います。これにより、生成AIがピンポイントでテーマに関連性の高い情報を抽出でき、収集情報の精度が向上します。

②Perplexity AIによる迅速で精度の高い情報収集

Perplexity AIの最大の特長は、大量の情報から高い関連性と信頼性を持つ情報を迅速に収集し、簡潔に要約して提示してくれることです。これにより、スタッフは各情報源を個別に閲覧する労力を大幅に削減できます。

例えば、教材で引用する統計データや市場動向についても、AIが即座に重要なポイントをピックアップするため、リサーチの初期段階から質の高いエビデンスを効率的に確保することが可能です。

③収集データを活用した精緻なコンテンツ設計

AIが収集した情報をそのまま使用するのではなく、それらをもとに詳細なカリキュラム構造や教材シナリオを構築します。この段階では、Perplexity AIが要約した情報を、コンテンツの論理構造に直接的に組み込みます。

その結果、教材には随所に信頼性の高いエビデンスが自然と埋め込まれ、最終的に教材全体の説得力や信頼性が劇的に高まります。

収集データの精査と信頼性確保の具体的ポイント

収集したデータの信頼性を確保し、教材コンテンツの品質を担保するためには、人間による徹底した精査プロセスが必要不可欠です。エデュニアでは、以下のような方法を取っています。

①出典元の情報確認とエビデンスの裏付け

AIが提示した情報の元データを必ずスタッフが直接確認します。Perplexity AIが示す各情報には参照元URLが付記されるため、教材に引用する際には必ず原典をチェックしてその信頼性を検証しています。

②複数の情報源によるクロスチェック

収集した情報の整合性を複数のソースでクロスチェックし、異なる情報間の矛盾や誤りがないかを徹底的に検証します。このプロセスにより、教材に盛り込むエビデンスの信頼性をより一層高めます。

③最終レビューで教材の説得力を担保

AIが集めた情報をコンテンツに組み込む段階で、最終的には経験豊富なスタッフが全体のストーリーを人間の視点で精査します。収集データを緻密に組み込むことで、教材に説得力あるストーリーラインが生まれます。このような人的なレビューを加えることで、教材の質は格段に向上します。

情報収集をコンテンツ構成に生かすことで得られる劇的な効果

AIを活用した効率的かつ深堀したリサーチを行い、その結果を教材のシナリオ構成に組み込むことで、教材には随所に自然と信頼性の高いエビデンスが埋め込まれることになります。

そのため、受講者は常に明確な根拠や裏付けを確認しながら学習を進めることができ、教材そのものが持つ説得力や学習効果が格段に高まります。また、教材制作における手間を大幅に削減しつつ、質の高いコンテンツを提供することが可能となります。

おわりに:エデュニアと共にエビデンスベースの教材制作を実現しませんか?

私たちエデュニアでは、生成AIを最大限活用した効率的かつ精度の高いリサーチに基づき、エビデンスに裏付けられた説得力の高い教材制作をお手伝いしています。

これまで教材開発のリサーチ作業や情報精査に課題を抱えていた企業様や教育機関の皆様、エデュニアのノウハウを活用して、共に新しい教育コンテンツ制作のあり方を実現してみませんか?

お気軽にご相談ください。下記のリンク先からクオークさん宛にお問い合わせをいただけましたらお返事を差し上げます。

一緒に質の高い教材作りを進めていきましょう。

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著者プロフィール

千葉 佑介(ちば ゆうすけ)

エデュニア株式会社代表取締役、H&Sホールディングス株式会社最高執行責任者(「ぼくのAIアカデミー事業担当」)を勤める傍ら、岩手県立大学ソフトウェア情報学研究科博士後期課程で製造業における教育サービスのDX関連の研究に従事。

熊本大学人文社会科学研究科教授システム学専攻博士後期課程卒。富士通株式会社で大学ビジネス営業企画と事業企画に携わった後、DMG森精機と野村総合研究所の合弁組織であるテクニウム株式会社にてDX教育サービスを立上げ、経済産業省補助事業「デジタルものづくり実践講座」のプロジェクトディレクターを務めた。

その後、AIリテラシーや生成AI活用に関する講座やワークショップを多数実施すると共に、生成AIと教育工学を駆使した教材制作および教育事業のDXコンサルティングに奔走中。

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