第5回:スライド&ナレーション原稿|GammaとChatGPTでプロ級の教材を作る方法

はじめに:教育現場で求められるスライドとナレーションの品質

教育コンテンツの質を高めるうえで、スライドとナレーション原稿の重要性は極めて高いものです。教材の内容がいかに優れていても、スライドが視覚的に整理されておらず、ナレーションが適切でなければ学習効果は大きく下がります。

本記事では、インストラクショナルデザイン理論と最新AIツールを組み合わせて、プロレベルのスライドとナレーション原稿を効率的に作成する方法をご紹介します。具体的には、スライド生成AIの「Gamma」と最新モデル「ChatGPT4.5」の活用方法を解説します。(執筆者:エデュニア株式会社 代表取締役 千葉佑介)

本シリーズの構成
本記事は全10本シリーズの5本目です。ぜひシリーズ全体を通してお読みください。

目次

セクション1:学習効果を最大化するスライド構成の原則

教材用スライドの目的は、情報を視覚的に整理して、学習者の理解を促進することです。私がインストラクショナルデザインの観点から提唱するスライド構成のポイントは次の5つです。

①シンプルさと明瞭性

スライドの情報量を適切に絞り、視覚的に整理します。

【推奨ルール】

  • メインメッセージは1スライドにつき1つに絞る
  • 文字数は50~100文字程度
  • 重要キーワードを明確に示す

②ストーリー性と論理的構造

学習者が教材の全体像を把握できるよう、論理的なストーリーラインを構築します。章や節間の関係性を明確に示すことがポイントです。

③視覚的要素の活用

画像やチャートを積極的に活用し、視覚から直感的に理解を促します。視覚情報は記憶の定着に極めて効果的です。

④インタラクティブ性

問いかけやチェックポイントなどの要素を設けることで、学習者の集中力や参加意欲を向上させます。

⑤統一感と一貫性

フォントやカラー、レイアウトを統一することで、認知負荷を下げ、学習者が教材内容に集中できるようにします。

セクション2:Gammaを活用した効率的なスライド生成術

スライド作成においてGammaを使う最大のメリットは、短時間で洗練されたスライドが生成できることです。
エデュニアでは以下のステップでGammaを活用しています。

【Step1】教材のアウトライン設計

最初に、教材の章立てや各スライドの目的・構成を設計します。この段階で、学習目標や情報量を明確に設定します。

【Step2】Gammaへのプロンプト入力

設計したアウトラインを基にGammaにプロンプトを入力します。

例:「デジタルトランスフォーメーション(DX)について10枚のスライドを生成してください。1枚目は定義、2枚目は背景説明、以降は具体的な企業事例を紹介する形でお願いします。」

この入力でGammaが自動的に高品質なスライドを作成します。実際に教材制作をする際にはStep1の段階でもっともっと詳細に設計をし、細かく指定したプロンプトを入力して意図に沿うようなスライドにするのですが、工程がややこしくそれだけで2・3回分のブログ記事が書けてしまいますので、ここでは割愛します。

【Step3】生成されたスライドの調整

インストラクショナルデザイン理論に基づいて、Gammaが作成したスライドを最終調整します。視覚情報の適切な調整や論理的な流れを整えることで、教材としての質が一段と高まります。

セクション3:ChatGPT4.5を用いたナレーション原稿作成の実践方法

教材のナレーション原稿作成には、現在ChatGPTのバージョン4.5を使用しています。その理由は、従来のモデルに比べて生成される文章の論理性や自然さ、表現力が飛躍的に向上し、教材用途に最適な日本語表現を生成できるためです。

特に、教材のナレーションは聞きやすさや理解の容易さが求められるため、表現の精度や自然さは非常に重要です。私たちが多数のプロジェクトで試した結果、ChatGPT4.5が最も教材制作の品質向上に貢献すると結論づけています。 具体的な作成プロセスは以下の通りです。

【Step1】ナレーション原稿の基本ルールを設定

  • 1スライドあたり200~300字程度
  • 自然な話し言葉で、難解な専門用語は平易に表現

【Step2】ChatGPT4.5にプロンプトを入力

ナレーション原稿作成用プロンプト例:「以下の内容を250文字程度のナレーション原稿にしてください。『DXとはデジタル技術を活用して業務プロセスやビジネスモデルを変革し、新しい価値を創出することです。』」

ChatGPT4.5は自然で理解しやすいナレーション原稿を即座に生成します。

【Step3】AI生成原稿の精査と調整

インストラクショナルデザイン理論を理解した人間がAI生成原稿をチェックし、教育的意図との整合性や言葉の自然さを調整します。このプロセスで教材品質を確実に担保します。

セクション4:AIを駆使した教材開発の実績と価値提供

こうしたプロセスを導入した結果、エデュニアでは以下の成果を実現しています。

  • 教材制作期間を従来の半分以下に短縮
  • 学習者の満足度と理解度の向上
  • 教材の一貫した品質管理を実現し、大手企業や教育機関からの継続的な依頼獲得

特に、GammaとChatGPT4.5の組み合わせは、スライドやナレーションの質を劇的に高めるため、多くのクライアントから高評価を得ています。

おわりに:教育効果を最大化するためにエデュニアが提供するソリューション

スライドやナレーション原稿の質は、インストラクショナルデザインの専門性とAIの高度な活用が融合してこそ最大化します。エデュニアは、その両方の知見とノウハウを活用し、皆様が抱える教育コンテンツ制作の課題を解決いたします。

教材の品質向上と制作効率の向上を同時に実現したいとお考えの企業や教育機関の皆様は、ぜひお気軽にエデュニアまでご相談ください。下記のリンク先からクオークさん宛にお問い合わせをいただけましたらお返事を差し上げます。

私たちと共に、学習効果を最大化した教材作りを実現しましょう。

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著者プロフィール

千葉 佑介(ちば ゆうすけ)

エデュニア株式会社代表取締役、H&Sホールディングス株式会社最高執行責任者(「ぼくのAIアカデミー事業担当」)を勤める傍ら、岩手県立大学ソフトウェア情報学研究科博士後期課程で製造業における教育サービスのDX関連の研究に従事。

熊本大学人文社会科学研究科教授システム学専攻博士後期課程卒。富士通株式会社で大学ビジネス営業企画と事業企画に携わった後、DMG森精機と野村総合研究所の合弁組織であるテクニウム株式会社にてDX教育サービスを立上げ、経済産業省補助事業「デジタルものづくり実践講座」のプロジェクトディレクターを務めた。

その後、AIリテラシーや生成AI活用に関する講座やワークショップを多数実施すると共に、生成AIと教育工学を駆使した教材制作および教育事業のDXコンサルティングに奔走中。

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