近年、社内研修や教育においてeラーニングの利用がますます拡大していますが、eラーニングを効率よく運営するために欠かせないシステムがLMS(Learning Management System:学習管理システム)です。
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LMSとは ~学習管理システムの基本から応用まで、機能と活用、これからを知る~ | Qualif eラーニングラボ
LMSには数多くの製品があり、それらを分類する方法・軸もいくつも考えることができますが、本記事では「LMSが載っているサーバの種類」という軸でLMSを「オンプレミス型」と「クラウド型」の2つに分類し、それぞれの特徴とメリット・デメリット、選定する際のポイントを解説します。
さらに、クラウド型LMSを活用とした新規ビジネスとして、eラーニングコンテンツの販売が可能となる、オンライン講座販売用LMS Qualif(クオリフ) | オンライン学習講座販売プラットフォームが提供する新しい価値について、ご紹介します。
LMSをサーバの種類で分けると2種類に分類できる
数あるLMS製品を、LMSが載っているサーバの種類で分類すると、大きく分けて「オンプレミス型」と「クラウド型」の2つに分けることができます。
オンプレミス型は、自社で保有しているサーバの上に構築されたLMSのことを指します。
クラウド型は、LMSベンダーが管理するクラウドサーバ上に構築されたLMSを指し、インターネットを経由してアクセスしてLMSにアクセスして利用します。
LMSの選定・導入にあたっては、それぞれの特徴を理解し、メリット・デメリットを比較して検討することが大切です。
オンプレミス型とクラウド型の特徴一覧
オンプレミス型LMSとクラウド型LMSの特徴を一覧表にまとめました。
| LMSの種類 | オンプレミス型 | クラウド型 | ||
| 初期費用 | 初期費用が高い。 サーバの購入とLMSパッケージの購入が必要。 | 初期費用が安い。 初期費用無料のLMSも多い。 | ||
| 導入作業 | サーバ上にLMSを構築する作業が必要で、社内の情報システム部門や、外部のITベンダーの手を借りる必要がある。 数ヶ月~半年程度の時間が必要になることが多い。 | LMS自体はすでにクラウド上で稼働しているので、必要なデータを登録するだけで利用を開始できるケースがほとんど。 利用開始までは最短1週間程度。 | ||
| 利用費用 | LMSパッケージのライセンスは購入済のため、利用費用を追加で払う必要はない。 LMSの保守契約を締結している場合は保守費用が掛かる。 また、サーバの運用費用も必要となる。 | ユーザ数に応じた月額の利用料金が掛かる。 利用するユーザが増えるとそれに応じて利用費用も高くなる。 | ||
| システム運用・監視 | サーバの運用や監視などは自社で行う必要がある。 | LMSベンダーが責任を持って実施する。 | ||
| バージョンアップ | LMSの保守契約を締結している場合は、LMSのバージョンアッププログラムは無償で提供されることが多い。 バージョンアップ作業は自社で実施する必要がある。 | LMSベンダー側で随時バージョンアップを実施する。 | ||
| セキュリティ対応 | サーバのセキュリティパッチ適用等を自社で行う必要がある。 | LMSベンダーが責任を持って実施する。 | ||
| カスタマイズ | 購入済のLMSパッケージに対して自社でカスタマイズを行うことができる。 | 基本的にカスタマイズはできない。 | ||
| 会計処理 | LMSの構築費用はシステム開発投資に当たり5年間で減価償却する必要がある(ケースが多い)。 | LMSの利用費用はその年度の経費として処理できる。 | ||
| BCP対応 | サーバを複数拠点に分散配置するなどの対策を自社で実施する必要がある。 | 複数のリージョンに分けてバックアップを取るなどの対策が取られていることが多い。 | ||
ここに記載した内容を元に、オンプレミス型・クラウド型それぞれのメリット・デメリットを見ていきましょう。
オンプレミス型LMSのメリット
オンプレミス型は、自社で保有するサーバ上にシステムを構築して運用する方式です。自社ネットワーク(WAN)内で完結できるため、厳格なセキュリティポリシーがありインターネットの利用に制限がある企業などから根強い支持があります。
データもすべて自社サーバのデータベースの中に蓄積されるため、社員の個人情報や学習の記録などのセンシティブな情報を安全に守ることができます。
また、システムにトラブルが発生した際にも、自分たちで原因を究明し、対応を取ることができます。
また、LMSパッケージを購入して所有権を持つため、自社でシステムに対してカスタマイズを行うことができます。もちろん費用は掛かりますが、独自機能の追加や既存設定の変更など、自社好みの仕様にできることは大きなメリットです。
さらに、費用面では、導入時にLMSパッケージの購入費用と構築費用を支払えば、その後の利用料は基本的には不要です。ただし、LMSの保守費用やサーバの維持・管理費用は別途必要となります。
オンプレミス型LMSのデメリット
オンプレミス型のLMSは、購入してすぐに利用を開始できるわけではなく、サーバの設置やシステムの構築、設定などが必要であるため、導入時の初期費用が高額になるというデメリットがあります。利用を開始できるようになるまでの期間も数ヶ月~半年程度掛かることになります。
また、システム構築には自社の情報システム部門や社外のITベンダーの手を借りる必要が出てくるため、eラーニングを主管する人事部門だけでは施策を進めることは難しくなります。
このように、準備期間と人手の調整の手間が掛かるのはオンプレミス型のデメリットです。
導入後は、システムの運用管理を自社の責任で実施する必要があります。セキュリティパッチの適用が漏れたり、外部からの攻撃を受けて情報漏洩が発生した場合も、すべて自社で対応する必要があり、他社に責任を転嫁することはできません。
LMSのバージョンアップについても、保守契約を締結していればバージョンアッププログラムはLMSベンダーから提供されますが、そのプログラムの適用作業は自社で行う必要があります。
費用の会計上の処理においてもクラウド型LMSとの違いがあります。LMS構築時に発生する作業費用やカスタマイズ費用は、システム開発投資に該当し、5年の減価償却が必要となるケースがあります。導入初年度に一括計上して利益を抑えることはできませんので注意が必要です。
クラウド型LMSのメリット
クラウド型LMSは、インターネット経由で提供されるサービスを利用するSaaS(Software as a Service)と呼ばれる方式です。
クラウド型LMSのメリットとしては以下のようなものが挙げられます。
①導入費用を抑えることができる
クラウド型LMSのメリットの一つは、導入費用を抑えられることです。クラウド型LMSは、ベンダーが管理するサーバ上のシステムを利用する形式なので、自社でシステムを構築する必要がありません。初期費用を無料にしているLMSも数多くあります。
②利用開始までの期間が短い
クラウド型LMSはクラウドサーバ上で24時間365日稼働しているものを利用するため、契約して即日利用を開始できるものほとんどです。
そこに受講者の情報や学習動画などをアップすれば、数日~1週間程度でeラーニングの受講を開始することができます。
③スモールスタートに最適
初期費用が掛からずすぐに利用開始ができることから、少人数で小規模にeラーニングをスタートする場合には、クラウド型LMSを使うメリットがより大きくなります。
④システムの管理・運用が不要
クラウド型LMSは、システムの管理、サーバ管理等もすべてLMSベンダーが責任を持って実施します。そのため、自社での監視やメンテナンスは不要です。
セキュリティに関しても、サーバOSへのセキュリティパッチの適用や、外部からの攻撃に対する対応も、すべてLMSベンダーが実施します。
このようにITスキルがなくてもeラーニング施策の実施が可能となるため、情報システム部門等の手を借りることなく人事部主導でeラーニングを実施することが可能となります。
⑤LMSの機能アップが自動で行われる
クラウド型LMSは、定期的にシステムの機能アップが行われます。その際に自社で適用作業や動作テストを行う必要はありません。バージョンアップされた最新機能を常に活用できます。
⑥リスク分散・BCP対応
災害時などにリスク分散ができるのも、クラウド型LMSの特徴です。サービス停止やデータの消失といったリスクを避けるために、クラウドサービス事業者の多くはシステムやバックアップデータ管理を一つの拠点に依存させない対策を取っています。複数のクラウドサーバにデータを分散させることが、大規模災害の際の速やかな復旧につながります。
クラウド型LMSのデメリット
①カスタマイズは基本的にできない
クラウド型LMSは、機能のカスタマイズに限界があります。すでに稼働しているサービスを利用する形のため、自社の独自要件に合わせたカスタマイズは基本的にはできません。LMSを選定する際に、自社の課題や目的を明確にし、それに応じた仕様・設計であるかどうかをしっかりとチェックしましょう。
②システムトラブル時は待つしかない
システムにアクセスができない等のトラブルが起きた際は、対応はLMSベンダーが責任をもって行ってくれますが、逆にいうとユーザ側では状況をつかむことが難しく、トラブルが解決したというアナウンスをただ待つことしかできないというジレンマがあります。
③バージョンアップで不要な機能が追加される可能性がある
LMSの機能が追加されていくメリットがある反面、自社にとっては必要のない機能が追加されてしまう可能性があります。
④導入費用は抑えられるが長期的にはコストが逆転することがある
初期費用や初期構築作業が不要で、オンプレミス型LMSと比べると導入費用を抑えることができますが、大人数で使う場合は長期的にはクラウド型のコストの方がオンプレミス型を上回るケースがあります。
オンプレミス型はユーザ数が増えても掛かるコストは一定であるのに対して、クラウド型はユーザ数に比例して利用費用が膨らむためです。
ただし、オンプレミス型はユーザ数が減ってもコストは減らないのに対して、クラウド型は利用状況に応じて柔軟にコストを管理できるので、トータルでみるとクラウド型LMSの方がコストメリットは高いと言えます。
おすすめはクラウド型LMS
インターネットの普及などにより、日本のパブリッククラウドサービス市場は高い伸びを示しています。

引用元:https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r06/html/nd218200.html
本記事では、オンプレミス型LMSとクラウド型LMSそれぞれのメリット・デメリットを解説してきましたが、クラウドサービス全体の伸びもあり、クラウド型LMSの方が費用面と機能面の双方で導入しやすく、新規にLMSを導入されるユーザの大多数はクラウド型LMSを選んでいるのが現状です。
もちろんデメリットもありますが、自社に必要な要件を明確にし、適したクラウド型LMS・適したLMSベンダーを選定すれば良いでしょう。
Qualif(クオリフ)が提供する新しい価値
クラウド型LMSの導入は、現在では一般的な選択肢となりつつあります。しかし、「単に学習を管理するだけでは不十分」と感じている企業担当者も多いのではないでしょうか。
受講者に学習機会を提供するだけでなく、研修・教育サービスを事業として収益化できる仕組みを構築することが、持続的な学習環境の確立には欠かせません。
Qualif(クオリフ)は、そのような課題に対応するために開発された、次世代型のクラウドLMSです。従来のLMSが「社内利用」や「限定的な受講者管理」を主目的としていたのに対し、Qualifはオンライン講座や試験を「商品」として販売できる仕組みを備えており、自社専用の学習コンテンツ販売サイトを容易に立ち上げることが可能です。
また、導入にあたっては専門的な知識を必要とせず、講座登録・価格設定・販売までを直感的な操作で行えるため、短期間での運用開始が可能です。これにより、教育・研修事業を展開する企業は、限られたリソースの中でも効率的にサービス提供を開始できます。
さらに、昨今注目を集めている「人材開発支援助成金」の対象としても活用可能であり、受講企業は導入費用の一部を補助金によって賄うことができます。
「オンライン講座販売」に強いQualifで、自社専用の販売ショップを立ち上げ、eラーニングビジネスを本格展開し、成長させていきましょう。
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