eラーニングに必須のLMS機能とは?企業研修・資格教育で押さえたい4つのポイント

企業の研修や資格試験対策で、eラーニングを導入する企業は年々増えています。

しかし、「誰がどこまで学習しているか」「どの研修の理解度が低いか」といった情報を、Excelやメールだけで管理するのは限界があります。

そこで重要になるのが、LMS(Learning Management System:学習管理システム)です。LMSは、eラーニングの教材を配信するだけでなく、受講管理・進捗管理・成績管理・教材管理といった業務をまとめて行える、企業研修の基盤となるシステムです。

特にクラウド型LMSであれば、専用のシステムを一から構築しなくても、必要な機能があらかじめ搭載された状態でスモールスタートできます。

本記事では、企業研修や資格教育でよく使われるLMSの4つの基本機能(受講機能・管理機能・指導機能・教材機能)について、それぞれの役割と活用イメージをわかりやすく解説します。

これからeラーニングを導入する担当者の方はもちろん、既存の研修を見直したい企業にも役立つ内容です。

参考記事はこちら↓
LMSとは ~学習管理システムの基本から応用まで、機能と活用、これからを知る~ | Qualif eラーニングラボ

目次

LMSの受講機能(学習者向け)

受講機能は、受講者が迷わず学習を進められるようにするための機能群です。

・LMSにログイン
最初のステップは、IDとパスワードでLMSにログインすることです。受講者一人ひとりにIDが割り当てられており、それによって各受講者の学習履歴が記録できます。

・コース一覧
LMSにログインすると、その受講者が受講できるコースが一覧で表示されます。サムネイル画面がパネルのように表示され、わかりやすく選べる形式になっているものも増えています。履修途中のコースについてはここで進捗率が表示され、新たに履修コースを登録することもできます。

・学習
研修などの学習コンテンツを視聴し、学習に取り組みます。インターネット環境があれば、いつでもどこでも教材の視聴が可能で、中断してしまった時にも、次に開いた時には続きから見ることができます。視聴履歴や進捗状況は自動的に保存され、受講者は自分の学習状況を確認できます。

・テスト
学習した内容に対して、テストを実施することができます。テストの形式は○×式や選択式などLMSによって様々なものが用意されており、受講内容を基に簡単に作成することができます。作成したテストはLMS上で管理し、受講後に実施するように設定できますし、自動採点し結果を保存することも可能です。

・レポート
研修受講後に、受講者がLMSを通じてレポートを提出し、それに対するフィードバックもLMS上で受け取ることができます。受講者にとってはモチベーションの維持につながり、理解も深まります。

・コミュニケーション
eラーニングは各自が自分のペースで取り組むため、横のつながりが持ちにくいという課題がありますが、LMSのコミュニケーション機能を活用すれば、同じコースを受講している社員同士で、交流や情報交換ができます。具体的には掲示板やチャットを使い、受講者同士や研修講師とやり取りをして、不安や疑問点の解消につなげます。

・アンケート
アンケート機能によって、研修の内容について受講者の評価を把握できます。選択式や五段階評価式、自由記述式など様々な形式で作成することができ、受講者は自分の意見や感想を伝えることができます。

LMSの管理機能

管理機能は、受講者・教材・コース・テストなどを一元管理するための機能です。

・受講者登録
LMSでは、受講者の氏名や組織、部署、役職、入社年などを一元管理できます。これらの情報によって、研修の対象となる社員を自動で抽出することができます。また、組織単位でなく、年次や役職といった属性による組織横断のグループを作って必要な研修を実施することもできます。これらの作業を手動で行う場合に比べ、管理者の工数を大幅に削減できます。
LMSによっては、対面研修や社外研修の出欠状況も合わせて管理できるため、管理者は受講者の学習履歴をまとめて取得し、研修施策に役立てることができます。

・履修登録
LMSは、研修対象者に自動で案内を送信し、出欠や日程調整を行うことができます。受講者はLMS上で簡単に参加申請ができ、急な変更もできるため、担当者の出欠管理や名簿作成の負担を大きく減らすことが可能です。

LMSの指導機能

指導機能は、誰が・いつ・どこまで学習したかを把握し、成績や進捗をレポートとして確認できる仕組みを指します。

・受講履歴管理
受講者の学習進捗状況を、LMSの管理画面でリアルタイムに確認し、分析することができます。またコースが終了していない受講者にリマインドメールを送信したり、修了者には上級のコースを薦めたりすることもでき、学習効果を最大化することにつなげられます。

・アンケート管理
受講機能で紹介したように、LMSには受講者からレポートを回収する機能や、アンケートを配信して回答を受け取る機能があります。アンケートの作成や配信、集計もLMSで行うことができるため、担当者の負担を減らしつつ、研修の効果測定や改善が図れます。

・成績管理
LMSでは、受講者ごとのテストの結果を可視化し、管理することができます。受講だけで終わらせず、結果を管理することで社員教育の質を高めます。成績によってテストの再受験を促したり、講師が個別にフィードバックを行ったりすることで、受講者に寄り添い、モチベーションを維持して、学習効果を高められます。

LMSの教材機能

教材機能とは、動画・PDF・スライド・テストなどの教材を登録・整理し、受講者に配信・閲覧させるための機能です。誰にどの教材を見せるか、順番や公開期間などもコントロールできます。

・コース作成
教材作成機能が充実しているLMSを選べば、特別なソフトウェアがなくても、簡単にオリジナル教材を作ることができます。PowerPointやPDFといった形式で作成されている既存資料や、実技を撮影した動画などを、LMSの機能でスムーズに研修教材にすることができます。
教材を提供しているLMSベンダーもあるので、汎用的な内容の研修は、そちらを利用しても良いですし、自社の製品知識や自社ルールなど独自の研修を実施したい場合には、LMSの教材作成機能を活用してコンテンツを作成しましょう。
また、LMSの教材作成機能は内容の更新が容易です。新しい法令や業務手順の導入に際しても、迅速に対応できます。

・コースの割り当て
作成した学習コンテンツを受講者に割り当てる機能です。例えば新入社員にはビジネスマナーやデジタルリテラシーを、若手社員にはリーダーシップやロジカルシンキング研修を割り当てるなど、対象者ごとに最適な研修が受けられるよう、LMSで設定することができます。これにより、きめ細かい研修が実現しますし、履歴を管理することで最適な人事異動にもつながります。

FAQ(よくあるお問合せ)

Q1 誰にどのeラーニングコースを割り当てればよいか、決めるのが難しいです。
A   LMSの中には、レコメンド機能が搭載されているものがあります。これを活用すると、保存されている個人の属性に対して、LMSが最適なコースを自動で提案してくれます。また、受講履歴データから、個別に上級コースや関連コースのレコメンドも受け取ることができます。

Q2 LMSはたくさんの種類がありますが、どうやって選べばよいですか?
A まずは、自社が何を実現したいかを明確にしましょう。独自のコンテンツによる研修を実施したいなら、教材作成機能が充実しているLMSを選びます。一般的な内容の研修を計画している場合は、ベンダーが用意している教材に注目しましょう。また、LMSは導入後の運用も重視しなくてはならないので、サポート体制がしっかりしているベンダーを選ぶと良いでしょう。複数のベンダーを比較し、無料トライアルで操作性を確認することをお薦めします。

▼LMSを選定する際に、どのような項目・機能で比較していいか分からない方は、
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Q3 外国人の従業員もeラーニングを受講することができますか?
A 多言語対応ができるLMSを利用することで、外国語を主言語とする社員もスムーズに受講することができます。日本語と外国語間切り替えが簡単に行えるため、海外に拠点を持つ企業でも、雇用している現地スタッフに対して、統一された学習環境を提供できます。多言語対応LMSを導入することによって、外国語対応のeラーニング教材を別途送付するといった手間が省けます。

Q4  最低限どのようなLMSの機能があれば、eラーニングを始められますか?
A まずは、「受講管理(受講者登録・コース割り当て)」「進捗・成績管理」「教材登録・配信」の3つが押さえられていれば、社内研修レベルのeラーニングは十分スタートできます。そのうえで、将来の拡張を見据えて、レポート機能・テスト機能・決済機能(コンテンツ外販をする場合)などが追加できるかも確認するとよいでしょう。

Q5 自社の研修内容やeラーニング教材を外販することはできますか?
A はい、決済機能を備えたクラウド型LMSを選ぶことで、社内向けに作成した研修コンテンツやeラーニング教材を、有料オンライン講座として外販(販売)することができます。具体的には、LMS上でコースと価格を設定し、クレジットカードなどで受講料を決済 → 決済完了と同時に受講権限を自動付与する、といった流れをシステム側で完結できます。

「研修コンテンツを新たな収益源にしたい」「企業向けにeラーニング講座を販売したい」場合は、決済機能付きのクラウド型LMSかどうかを、LMS選定時の必須チェック項目にするとよいでしょう。Qualif(クオリフ)は学習コンテンツの外販に特化したクラウド型LMSです。

まとめ

eラーニングに役立つLMSの機能について、解説しました。LMSを導入することによって、受講者は必要な研修コースを効率よく受講することができ、管理者は受講者登録や出欠管理といった作業を大きく減らすことができます。

研修担当者は受講者の進捗を把握し、その状況に応じて教材を作成したりアップデートしたりすることができます。LMSは個人のスキルアップだけでなく、組織全体の生産性の向上に貢献します。本記事を参考にして、自社に必要なLMSを導入し、社員教育の質と企業のパフォーマンスを向上させていきましょう。

これからeラーニング教材を活用した教育を始めようと考えている方、LMSの導入を検討しているものの、どの製品が分からないといった方は、ぜひQualif(クオリフ) | オンライン学習講座販売プラットフォームのご利用をご検討ください。

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「eラーニング教材を販売するためのLMSとは」~学習講座・学習コンテンツ販売・決済がポイント~ | Qualif eラーニングラボ

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