「eラーニングビジネスを始める際に必要なものとは?」~LMSとコンテンツの重要性とは? 自社でLMSを持つべきか?

eラーニングビジネスを新たに始める企業にとって、自社のサービスに適合したLMSと高品質なコンテンツこそが成功の鍵です。

本記事でeラーニングビジネスにおける、LMSとコンテンツの役割について理解を深めることができます。詳しくみていきましょう。

目次

eラーニングビジネスには何が必要か?

「eラーニングビジネスを実際に始めるには何が必要でしょうか?」と、企業の研修部門や新規事業部門などの方々から質問をいただくことが増えています。 eラーニングビジネスを開始するためには、下記2つを準備する必要があります。

  • eラーニングコンテンツ
  • eラーニングを配信するシステム (LMS: Learning Management System、学習管理システム)

eラーニングコンテンツは、研修などを提供する企業のコアとも言えるものであり、基本的には自社の著作物・資産として保持していきます。そのため、企画から制作までを自社で行うケースが多いでしょう。昨今では、eラーニングコンテンツの作り方は、5年前と比べると大きく変わっています。制作に要する手間が少なくなり、コストも下がっています。

一方、eラーニングシステム(LMS)は自社で開発するケースは少なく、LMSベンダーのサービスの中から自社にあったものを選定して利用する場合が多くなっています。LMSは、eラーニングコンテンツの作成、配信、受講者の管理、組織の管理、受講の進捗状況の管理までを一元的に行えることが特徴です。教育機関や企業で多く利用されており、eラーニングの実施を支える重要な役割を担っています。
詳しくはこちら!

LMS(Learning Management System:学習管理システム)とは~基本から応用まで、その機能と活用を知る~ – Qualif eLearning Lab

LMSとコンテンツの役割とは?

LMSが本棚だとすれば、コンテンツはそこに並べられている本といえます。質の高いコンテンツがなければどれだけ優れたLMSでも活用できず、逆に、コンテンツだけがあってもLMSがなければeラーニングビジネスは成功しません。

LMSの役割

LMSは、eラーニングを効果的に実現するためのシステムで、eラーニングを支える重要な役割を担っています。以下に、主なLMSの役割を3点説明します。

学習コースを作成し、配信する

LMSでは、動画、資料、テキストなどをアップロードし、学習コースとして束ねて配信することができます。

テストやアンケートを通じて学習効果を可視化する

LMSには、確認テストや課題提出機能などが組み込まれており、受講者の理解度を評価できます。また、アンケートで受講者の質問や感想などを集めることもでき、これらデータから受講者の理解度を把握することができます。

受講状況を確認する

受講者が、どのコースを受講して、計画どおりに完了しているなど詳細な進捗状況課題     を確認することが可能です。また、必要に応じて受講を促進するメールや指導を行うことができます。

コンテンツの役割

eラーニングにおいて、コンテンツは学習体験の中心となる重要な要素です。質の高いコンテンツが学習効果を左右すると言っても過言ではありません。

以下に、主なコンテンツの役割を3点説明します。

講義を受ける(=動画、PDF、Scorm)

動画やPDF教材は、講義内容を視覚と聴覚で効果的に受講者に伝える手段です。

動画のメリットは、講師が話すトーンや表情を通じて、対面授業に近い学習体験を提供できることです。また、受講者が必要な箇所を何度でも繰り返し視聴できるため、理解を深めるのに役立ちます。

PDF教材は、テキスト情報や図表などを整理して提供する際に効果的です。構造化された内容を自分のペースで読み進めることが可能です。

Scorm教材は、受講者の操作によってシナリオが分岐してくような、インタラクティブな要素を盛り込むことが可能です。受講者を学習に能動的に関与させることができ、受動的に動画を見るだけよりも理解度を高められる可能性があります。

理解度を確認する(=確認テスト)

確認テストは、受講者が学んだ内容をどの程度理解しているかを測る重要な手段です。確認テストを通じて知識の定着度合いを把握し、不足部分を特定することで、弱点を補強し学習効果を向上させます。

フィードバックを送る(=アンケート)

アンケートは、受講者からフィードバックを得て、教材や学習プログラムの改善点を把握し、PDCAサイクルを回すことで教材の品質向上につなげます。

自社でLMSを持つべきか?

顧客企業向けにeラーニングを提供する場合に、顧客が持っているLMSにコンテンツを載せて配信するケースと、自社で持っているLMSにコンテンツを載せて配信するケースとがあります。この2つのケースの違いを見てみましょう。

まず、「顧客が持っているLMSにコンテンツをアップする」ケースは、コンテンツを作成して、顧客からうちのシステムに載せてくださいと依頼されることがあります。

もう一つは、「自社でLMSを持ち、そこにコンテンツを載せて配信する」ケースです。

コンテンツを顧客が持っているLMSにアップした場合の研修会社のデメリットとして、受講履歴の入手が困難な点があげられます。

逆に言うと、研修会社自身がLMSを持って配信するメリットとしては、受講者一人ひとりの受講履歴を取得できる点であり、この1点だけをみても「自社でLMSを持っていた方が、圧倒的に有利になる」といえます。eラーニングのビジネスは、集合研修と比較した時に、特にこの要素が重要です。

eラーニングビジネスの本質は、何よりもデータを握る「データビジネス」だと考えます。データビジネス、つまり受講者が「どのように受講し、どこでつまずいているか」「どの問題に正解していて、どの問題に最も学習時間が長くかかっているかなど」のデータを把握し、分析することが重要となります。

このような細かな受講履歴のデータを把握できることが、eラーニングビジネスの成功には、必須です。

コンテンツを「 顧客が持っているLMSにアップする」場合と、「 自社でLMSを持って配信する」を比較した時に、サービス提供企業が受講履歴を取得できないことは、eラーニングビジネスのメリットが大幅に減ってしまいます。

さらに、LMSに蓄積されたデータを活用することで、新たなサービス展開や、自社独自の学習プラットフォームを構築することで、ブランド価値を向上させ、他社との差別化を図ることもできるでしょう。

このように、eラーニングはデータビジネスであり、自社でLMSを持って配信することを強くおすすめします。

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