「OJTとeラーニングで人材育成を強化する方法」〜新入社員を「配属後すぐに活躍できる人材」に育てる研修設計〜

企業が持続的に成長していくためには、「人を育てる仕組み」が欠かせません。特に新入社員や若手社員に対しては、現場で実務を通して学ぶ OJT(On the Job Training) が広く活用されています。しかし、OJTだけに依存した育成は、指導者の力量や担当部署の状況によって、育成の質にばらつきが出てしまうという課題があります。

本記事では、OJT研修とはどんな研修なのか。そのメリットとデメリットは何か。

そして、OJT研修のメリットを活かしつつ、eラーニングを取り入れることで、デメリットを補う研修方法について、ご紹介します。

目次

OJTとはなにか~メリットとデメリット

OJTは、On The Job Trainingの略で、職場での実務を通して、上司や先輩が新人に、必要な知識とスキルを指導する人材育成の手法です。

実際の業務環境で学ぶため、学んだ知識が実践的なスキルへとスムーズにつながることが大きなメリットです。社員一人一人に合わせた指導ができ、指導者が新人の様子を見ながら、指導内容を調整することが可能になります。

OJTの研修手法は現場での直接指導であることが特徴です。そのため新人は疑問点をその場で解決できますし、先輩社員とのコミュニケーションを取ることが多くなり、信頼関係を築くことにつながるでしょう。

一方で、一対一の指導となることが多いため、トレーナーのスキルによって、受ける指導の質に差が出てしまう恐れがあります。トレーナーは通常の仕事を抱えており、OJTに割く時間が負担となったり、スケジュール調整が困難であったりするという課題もあります。

eラーニングとは何か~メリットとデメリット

eラーニングとは、パソコンやスマートフォンなどのデバイスを使い、オンライン上で学ぶ学習方法です。自身のデバイスでコンテンツを再生して学習するスタイルなので、いつでもどこでも取り組むことができますし、わからなかった部分を何度も見直して確認するなど、自分のペースで学ぶことができます。受講者は全員同じ教材で学ぶため、指導の内容にばらつきが出ることもありません。

メリットデメリット
OJT・一人一人に合わせた教育ができる
・実践的なスキルが身につく
・その場で疑問を解消できる
・トレーナーとコミュニケーションが図れる
・トレーナーのスキルに左右される
・スケジュール調整が難しい
・トレーナーにかかる負担が大きい
eラーニング・時間や場所を選ばない
・反復学習ができる
・受講者が全員同じ教育を受けられる
・実技の研修ができない
・受講者同士のコミュニケーションの機会がない

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eラーニングでのリスキリングで成果は出るか?~日本のデータで見る「続く設計」と売れる仕組み~ | Qualif eラーニングラボ

eラーニングを活用したOJT研修のメリット

OJTにeラーニングを組み合わせることで、双方の課題を解消することができます。

予めeラーニングで基本的な知識や手順を習得しておけば、指導者はOJTでは、より実務に即した高度な訓練を実施することができます。それにより、受講者の即戦力化が期待できますし、eラーニングを活用した分、教育時間や内容の面で指導者の負担も軽減できるでしょう。

eラーニングでは実際の作業を動画で学ぶこともできます。受講者は手順を具体的に確認してから現場で指導を受けることができ、「eラーニングで学んだことを実践する」という学習サイクルで、知識の定着が実現できます。

eラーニングによる学習にはLMS(学習管理システム)を導入すると、さらに効果的です。LMSを活用すれば、受講者一人一人の進捗状況が把握できますし、テストやアンケートを組み込むことで、理解度の可視化も可能になります。

参考記事はこちら!
LMSとは ~学習管理システムの基本から応用まで、機能と活用、これからを知る~ | Qualif eラーニングラボ

eラーニングでトレーナーを育てる

OJTを効果的に実施するためには、OJTトレーナーが指導力を持っていることが重要です。トレーナーには、実務における技術や知識だけでなく、新人を教育する心構えやノウハウ、ティーチングスキルが欠かせません。

OJTを実施する際には、トレーナーに対するティーチング研修も導入するとよいでしょう。

OJT育成研修にも、eラーニングが力を発揮します。業務が忙しい中でも隙間時間を使って取り組めますし、反復学習も可能です。OJTトレーナーがスキルアップすることで、指導者ごとの質のばらつきを解消することができ、OJT研修の効果の底上げにつながります。

OJTの実施方法

① OJTで身につけてほしいスキルを明確にする
ここで、eラーニングで学ぶ内容と、現場で実践する内容とを具体的に計画します。
基礎知識や作業手順写真・動画、さらに配属部署ごとに必要な独自のスキルなど、コンテンツを選定します。

② 期間とスケジュール・トレーナーを決める
必要に応じて、トレーナーはeラーニングを受講し、指導スキルを身につけます。

③ 実施
事前にeラーニングで学んだことを、現場で実践します。トレーナーは受講者の状況に合わせて指導し、質問に答え、不安を解消していきます。
実践的なスキルが身につき、指導者と学習者が直接コミュニケーションを取ることで、信頼関係が構築されます。

④ 評価と復習
学習者に対し、褒める点と改善点を伝え、今後の目標を設定します。この時学習者は、再度eラーニングを視聴し、基礎知識を復習すると効果的です。また、実務に携わったことで生じた疑問点や具体的なシチュエーションでの対応などを聞き取り調査し、eラーニングに盛り込んでいくことも重要です。eラーニングは、内容を定期的に更新し、最新の情報や成功事例をコンテンツに反映させていきましょう。
LMSを活用すれば、コンテンツのアップデートも容易で、常に有用な教材を提供することが可能です。

OJTとeラーニングについてのFAQ

Q eラーニングとOJTをどのように組み合わせればよいでしょうか。
A 学校の授業で言うと「予習」と「復習」に当たる部分を、eラーニングに置き換える、と考えると良いでしょう。事前に「予習」としてeラーニングで基礎知識を身につけ、OJTで実践した後は、「復習」として再度eラーニングを確認すると効果的です。また、企業理念や方針といった事項も、eラーニングのコンテンツとしてアップしておくことで、効率よく全社員に伝えることができるでしょう。

Q OJTを実施するとトレーナーの負担が大きく、通常の業務に支障が出るのではないでしょうか。
A eラーニングと組み合わせ、学習者に事前学習をしてもらうことで、実務における指導量を軽減することができます。また、トレーナーは指導に携わることで、自分自身の知識や技術を再確認することができますし、育成能力やコミュニケーションスキルがアップします。後輩との信頼関係が構築できれば、後のスムーズな業務遂行にもつながります。

Q OJT研修を実施する際には、会社はどういった点に注意すればよいでしょうか。
A OJT研修を成功させるためには、会社全体でサポートすることが大切です。各部署が連携して情報を共有し、必要なコンテンツの提供や作成に協力しましょう。また、指導者と学習者に定期的に声掛けなどを行い、双方のモチベーション維持のためのフォローも心がけましょう。

eラーニングとOJTは、それぞれメリットと課題があります。組み合わせて活用することで、より短時間で即戦力となる人材育成が実現します。自社の状況に合わせてeラーニングとOJTの最適な内容と組み合わせを見つけていきましょう。

eラーニングでの教育を効率よく行うために、LMS(Learning Management System:学習管理システム)の導入をお勧めします。教材の配信や進捗確認など各受講者に合わせた教育環境を提供できます。

LMSを活用したeラーニングとOJTをうまく組み合わせることによって、効果的な人材育成を実現していきましょう。

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