【動画配信・学習講座販売プラットフォーム】VimeoとLMSの違いを徹底比較 ~eラーニング教材販売やオンライン講座ビジネスの選択肢~

オンライン学習講座販売ビジネスを実施する際には、自社に合った適切な学習講座販売プラットフォームを選択することが極めて重要です。この記事では、Vimeo(ヴィメオ)と「学習教材販売機能を持ったLMS(Learning Management  System:学習管理システム)」の違いや、それぞれの特徴・用途を解説します。

特に研修会社や資格試験の実施団体・企業の方、ユーザトレーニングの担当部門に所属されている方など向けに、社外に向けて学習講座の販売ビジネスを行う際に、どちらのシステムを選ぶべきかについての指針を解説します。(Vimeoの情報は2025年1月時点のものです)

目次

Vimeoの概要と強み

Vimeoは、2004年に米国で設立された Vimeo Inc. により運営されている動画配信プラットフォームです。特に世界的に多くのクリエイターや企業に支持され、活用されています。

Vimeoをオンライン学習講座の販売ビジネスに活用するという観点でみていくと、以下のような特徴・強みを挙げることができます。

有名で安定したサービスである

Vimeoは高品質の動画ストリーミングサービスを提供することで知られています。動画の読込速度や再生品質は安定しており、遅延やバッファリングが少ないのが特徴です。動画は複数の解像度で配信されるため、低速なインターネット環境でもスムーズに再生できます。動画視聴の快適さでは、YouTube以上だという声もあります。

動画販売機能を持っている

Vimeoでは動画1本ずつに価格を設定して販売することが可能です。YouTubeとの一番の違いはこの点にあると言ってもよいでしょう。この機能により、オンライン学習講座や専門的な内容を学習する動画コンテンツの販売を行うことができます。

視聴者の厳密な制限が可能

Vimeoは購入者だけが動画を視聴できる仕組みを提供しているため、eラーニング講座の視聴者・受講者を厳密に制限することができます。

YouTubeの動画の限定公開機能が中途半端で、ID・パスワードで認証したユーザにだけ動画を見せる、お金を払った人にだけ動画を見せるということが難しいため、動画配信プラットフォームを使ってeラーニングコンテンツ販売ビジネスを展開したい場合には、Vimeoの方がYouTubeよりも適していると言えます。

豊富な動画再生機能

Vimeoの動画再生機能(動画プレイヤーの機能)は必要十分と言えます。再生/一時停止、再生速度変更、多言語字幕表示、チャプター機能など、視聴者が快適に動画を楽しむための機能はYouTubeと同程度に充実しています。

視聴状況の確認が可能

動画を有料で提供する場合は、視聴者はVimeoにID・パスワードでログインして動画を視聴するため、誰がどの動画を見たかを管理者側で確認でき、動画コンテンツの効果測定を行うことができます。

視聴回数(Views)、ユニーク視聴者数(Unique Viewers)、視聴時間(Watch Time)、動画のエンゲージメント率(どれだけ再生されたか、どの部分で離脱したか)といった基本的な情報に加え、有料プランでは、視聴者の地理情報、再生デバイス、トラフィックソース(埋め込み先のウェブサイト、直接URL、Vimeo内検索など)といった情報を確認できます。

Vimeoの課題

一方で、Vimeoをeラーニングビジネス・学習講座販売で活用するには、以下のような課題があります。

アクセスが制限されているケースがある

一部の企業では、安全性の観点からVimeoへのアクセスが禁止されていることがあります。このような企業に所属するユーザは、会社のパソコンからはVimeoを利用することが難しく、業務としてVimeoを使ったeラーニングコンテンツを受講することができない場合があります。

学習効果を測る機能(確認テストやアンケート等)がない

教育として利用するプラットフォームでは、学習者の理解度・学習効果を測るための確認テスト、クイズ、アンケート等の機能が重要ですが、Vimeoにはこれらの機能がありません。

動画を見るだけで学習が完了するような設計のコンテンツであればVimeoを使えますが、企業向けの研修ではそのようなケースは少ないと言わざるを得ず、Vimeoでは力不足と判断されるケースが多いでしょう。

拡散力が弱い

Vimeoは主にクリエイターやビジネス利用が中心で、一般ユーザが動画を積極的に閲覧するサイトというより、特定の目的を持った視聴者(プロフェッショナル層)が利用する傾向があります。

そのため、多くの一般ユーザを抱えるYouTubeに比べて、広い層への動画の拡散力は限定的です。Vimeo内の検索機能もシンプルで、YouTubeほど高度なレコメンド機能や、関連動画表示機能はありません。また、Google検索での表示の優先度もYouTubeに比べて低いため、検索からの流入による動画の拡散は期待しづらい傾向にあります。

学習教材販売機能を持ったLMSの強み

一方、「学習教材販売機能を持ったLMS」は、教育・研修に必要な機能を持っており、かつ、教材の販売機能も持つクラウド型の学習管理システムです。eラーニングコンテンツ販売ビジネスを実施するという観点でみると、Vimeoと比較して以下のような強みがあります。

自社専用の販売ショップ(販売サイト)の開設が可能

「学習教材販売機能を持ったLMS」は、個々の動画を販売するだけではなく、自社専用の販売ショップ(販売サイト)を開設することができます。ショップのデザインもカスタマイズ可能なため、自社のブランドイメージを損なうことなくeラーニングコンテンツ販売ビジネスを展開できます。

自社専用のショップ内には、当然、他社の講座が表示されることはありませんし、他社の類似の関連動画・関連講座に受講者が誘導されることもありません。自社の講座を購入した受講者をしっかりと囲い込むことができ、アップセル・クロスセルにつなげていくことが可能です。

受講状況の管理が可能

「学習教材販売機能を持ったLMS」では、受講者はID・パスワードでシステムにログインし、自身が購入したeラーニングコンテンツを受講します。

管理者は、誰がどの教材を購入したか、その教材の受講状況はどうかを、管理画面で細かく確認することができます。どの教材が売れているかだけではなく、各教材・各動画のどの部分が繰り返し視聴されていて、どの部分がスキップされているか、まで詳細に確認することが可能です。

また、「学習教材販売機能を持ったLMS」では確認テストやアンケートの機能もあるため、学習の理解度を確認したり、受講者からの声を受け取ることも可能です。正解率の低い設問を確認して動画の内容を追加したり、アンケートの内容から改善をしたりと、講座の内容を改善するPDCAを回していくことができます。ここはVimeoとの大きな違いと言えるでしょう。

セキュアな配信環境

自社のショップ(サイト)専用のURLが発行され、個々のユーザはIDとパスワードによる認証を経て受講を行うため、特定の受講者にのみ動画を視聴させることができます。

また、受講者の情報が記録されるデータベースは暗号化されているため、データ漏洩のリスクは低く抑えられます。加えて、学習教材の動画もストリーミング配信されるため、配信途中で動画のデータが盗まれるリスクもが低く、安心してeラーニングビジネスを展開できます。

柔軟な価格設定と決済システム

「学習教材販売機能を持ったLMS」では講座の価格設定の自由度が高く、講座を1つずつ販売するだけではなく、複数の講座をパックにして販売したり、クーポンで値引きをしたりといったことも可能となっています。

また、受講者が講座を購入する際には、クレジットカード決済の他に、コンビニ振込や携帯キャリア決済、銀行振込、請求書での支払いなども選ぶことができます。

VimeoとLMSの違い】

動画視聴学習機能(テスト・アンケート等)受講状況
確認
決済機能自社専用
ショップ
システム
利用費用
動画販売サイト
(Vimeo)
一般的な社内用LMS
eラーニング販売LMS
(Qualif)

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Vimeoと「学習教材販売機能を持ったLMS」の使い分け

「学習教材販売機能を持ったLMS」は、学習管理と教育効果の向上を目的として設計されているため、教育目的の動画の配信や講座の販売を行うプラットフォームとして有用です。

一方で、Vimeoは動画の配信と販売に特化しており、教育用として利用するには、LMSと併用するか、教育のための機能を補完するツールが必要となるでしょう。

eラーニング学習講座販売でVimeoの利用が適しているケースの例

  • 動画コンテンツの販売(特に個々の動画の販売)を行いたい場合
  • 動画の購入者だけに限定した視聴環境の提供を行いたい場合

eラーニング学習講座販売で学習教材販売機能を持ったLMS の利用が適しているケースの例

  • 自社ブランドを重視してeラーニング講座を販売したい場合
  • 特定の受講者層(社員やパートナー企業)に限定してeラーニングコンテンツを提供したい場合
  • 学習成果の詳細な管理やレポートが必要な場合

eラーニング教材販売やオンライン講座ビジネスにはLMSを利用する

Vimeoと「学習教材販売機能を持ったLMS」 は、それぞれ異なる目的と強みを持つプラットフォームです。コンテンツ販売や購入者限定の視聴にはVimeo、eラーニング教材販売やオンライン講座ビジネスにはLMSが適しています。自社ブランドの前面に出しながらの講座販売や詳細な学習管理を行いたい場合には、クオリフ(Qualif(クオリフ) | オンライン学習研修コース販売プラットフォーム)に代表される「学習講座販売に特化したLMS」が適しています。

適切なプラットフォームの選択が、動画配信ビジネスや教育・研修の成果につながります。自社の目的に合った選択を検討してみてください。

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