内定者研修とは?入社前フォローから即戦力化までを実現する実践ガイド

内定を出したあと、入社までの期間を「待ち時間」にしてしまっていないでしょうか。
この期間の過ごし方次第で、内定者の入社意欲や成長スピード、さらには定着率まで大きく変わります。

会社理解を深め、不安を減らし、入社後の立ち上がりを早めるための「入社前フォロー施策」です。同期・先輩との接点づくりや、基本スキルの習得を計画的に進めることで、本人の安心感と企業側の受け入れ負担の両方を軽くできます。

内定者研修は、単なる事前学習ではありません。会社理解を深め、不安を減らし、入社後の立ち上がりを早めるための“入社前フォロー施策”です。同期・先輩との接点づくりや、基本スキルの習得を計画的に進めることで、本人の安心感と企業側の受け入れ負担の両方を軽くできます。

本記事では、内定者研修の基本から目的、実施タイミング・内容・運用ポイント、実施方法(対面/オンライン/eラーニングの使い分け)、までを整理します。これから内定者研修を設計・見直す企業担当者のための実践的なガイドラインとして解説します。

この記事でわかること

  • 内定者研修の目的(不安解消/即戦力化/辞退防止)と、設計時に押さえるべき観点
  • 目的別に「何をやるべきか」を整理する研修内容マッピング(内容・形式・時期の当てはめ)
  • 入社6か月前〜直前までのタイミング別・研修内容例(無理なく続く運用設計)
  • 対面/オンライン/eラーニングの使い分けと、運用を回すためのポイント
目次

内定者研修とは?

内定者研修とは、新卒対象の内定者を対象として入社前に実施する育成・フォロー施策としての研修です。社会人としての意識やマナー、基本的なスキルを学ぶとともに、ほかの社員との交流を図り、入社前の不安を軽減することを目的としています。形式は、集合研修やオンライン研修など、さまざまな方法があります。

内定者研修の形式は、対面・オンライン・eラーニングなどさまざまです。目的に合わせて内容・頻度・接点を設計し、無理なく運用できる形にすることが求められます。

内定者研修の目的

内定者研修の目的は、「不安を減らし、入社意欲を高め、入社後の立ち上がりを早めること」です。代表的には、次の観点で設計します。

・内定者の不安の解消
会社・仕事・人間関係が見えないことが不安の主因です。会社理解の機会と、同期・先輩との接点を増やすことで安心感が生まれます。

・内定者の即戦力化
入社後に必要となる基礎スキルを先に整えることで、本人の自信と現場の受け入れ負担を軽くできます(例:OA、ビジネスマナー、基本用語)。

・内定辞退の防止(エンゲージメント向上)
入社までの期間に接点が少ないと、迷いや比較の中で辞退につながりやすくなります。定期的なコミュニケーションと期待の言語化が有効です。

・内定者同士の関係構築(横のつながり)
同期ができると、不安の共有と相互支援が生まれ、入社後の定着にもつながります。交流の場を意図的に設計しましょう。

目的別:研修内容マッピング

内定者研修は、目的ごとに「内容・形式・時期」を当てはめると設計が早くなります。

以下は代表的なマッピング例です。自社の状況に合わせて取捨選択してください。

マップの使い方のコツ

  • まず目的(不安解消/即戦力化/辞退防止)に優先順位を付ける
  • 次に「交流(対話)」と「インプット(学習)」の比率を決める
  • 最後に、時期別(6か月前〜直前)に配置して、無理のない頻度に落とす

内定者研修のタイミングと内容

厚生労働省が発表している、大学等卒業予定者の就職内定状況調査によれば、令和7年10月1日現在の就職内定率は、大学等(大学、短期大学、高等専門学校)全体では70.9%、大学等に専修学校(専門課程)を含めると70.1%となっています。

引用元:https://www.mhlw.go.jp/content/11805001/001332255.pdf

日本では4月1日の入社式が一般的であるため、入社6カ月前にはおよそ7割の就職希望者に内定が出ていることになります。そのため一般的に内定者研修は、入社前年の10月から翌年4月までの6カ月間で実施されることが多いです。そこで、ここでは入社6か月前からの内定者研修の一例をご紹介します。

○入社6カ月前~(会社理解・関係づくり)

・会社についての理解
自分が入社する会社のビジョンについて、改めて理解を深めます。業務内容や価値観、その中で自分が果たす役割の意義について再確認することで、入社に対しての期待が高まるでしょう。また、会社の組織体制や部門についてもあらかじめ知っておくと、入社後スムーズに組織に馴染むことができます。

・懇親会
内定者同士の交流の機会として、懇親会を行います。場合によっては先輩社員も参加してコミュニケーションの時間を設けると、社内の雰囲気を伝える一助となります。レクリエーションなども盛り込んで、親睦を深めていきましょう。

○入社4カ月前~(社会人マインド・チーム経験)

・社会人としての心構え
内定者の多くは、社会人としての心構えを知りません。自立して働くことの大切さや、自分の行動が組織に与える影響を意識することで、社会人としての責任感が醸成されます。入社する企業への帰属意識も高められるでしょう。

・グループワーク
共通の課題に内定者同士で取り組み、チームワークやコミュニケーションスキルの育成を目指します。グループワークを通じて人間関係の構築ができれば、入社後の業務において、横のつながりが活かせます。コミュニケーションスキルを磨くことで、プレゼンテーション力の向上も目指せます。

・コンプライアンス
社会人には、法令はもちろん社会的な常識や企業倫理を守ることが求められます。例えば、社外秘に当たる事項をSNSで公開することなどは、大きな企業損失につながりかねないコンプライアンス違反です。学生時代とは異なる心構えを、内定者研修の中でしっかり伝えておくことが必要です。

○入社3カ月前~(基礎スキルの底上げ)

・OAスキル
ExcelやWord、PowerPointの基本操作は、社会人にとって必須のスキルです。入社前に基本的な操作ができるようになっておくと、入社後にできる仕事の幅が広がります。近年はスマートフォンが普及し、PC操作が苦手な人が増えています。パソコンのキーボード入力にも取り組むように促すのも有意義です。

・ビジネスマナー
入社後は新人であっても、社外の人からは会社の代表として見られます。言葉遣いや身だしなみを始め、名刺交換や電話応対などのビジネスマナーを、内定者研修で身につけるようにすると良いでしょう。

○入社1〜2か月前~(配属・業務イメージの具体化)

・配属理解・業務理解
部門の役割、よく使う用語、商材・顧客の基礎、1日の業務イメージを共有します。

・先輩面談
不安の残りやすい論点を拾い、入社後の立ち上がりに向けた“見通し”を作ります。

・簡易課題(任意)
短い課題で達成体験を作り、学習習慣をつけます(負担のかけ過ぎは禁物)。

○入社直前(入社初週の予習・実務準備)

・入社初週の予習
社内ルール、情報セキュリティ、利用ツール、事務手続きなど“最初に困ること”を先に潰します。

・最終フォロー
直前の不安確認、連絡体制の案内(当日の集合場所・持ち物等)まで整えます。

内定者研修のポイント

内定者研修を形だけで終わらせないためには、押さえるべきポイントが4つあります。

設計段階で決め切り、運用に落とし込むことが重要です。

・内定者のスキルを把握する
内定者の現状のスキルを、まず把握することが大切です。得意・不得意やキャリア志向を知ることで、適切なサポートができ、研修プログラムに活かせます。内定者の特性は選考過程では捉えきれないので、アンケートや課題提出などを行って積極的に交流を図りましょう。

・研修の目的を明確にする
何のために内定者研修を行うのかを、研修担当者と内定者の双方で共有しておきましょう。例えば、企業が内定者に習得してほしいスキルがチームワーク力であれば、グループワークやディスカッションを重視した研修プログラムになるでしょう。社会人としての自覚を身につけてほしいのであれば、ビジネスマナーやマインドセット、基本的なスキルを期待するのであれば、OA研修が中心となります。

・現場の声を反映する
内定者研修には、現場の声を反映することも大切です。現場で必要なスキルや行動指標についてリアルな意見を聞き、研修プログラムと乖離が無いように気をつけましょう。

・スケジュールを立てる
入社前の半年間を有効に活用できるように、スケジュールを立てていきます。いつまでに、どれだけの研修を実施すればよいかを意識しつつ、学業との両立が図れるように、時期や頻度を設定します。スケジュールは早い時期に、内定者に伝えることも大切です。

内定者研修の実施方法

内定者研修の実施方法は、対面・オンライン・eラーニングの3つが中心です。

結論として、交流・演習は対面(またはオンライン同期型)、知識・基礎スキルの反復はeラーニングが向いています。目的に合わせて組み合わせましょう。

・対面研修
交流・グループワーク・体験型演習に強く、関係づくりが進みます。
一方で、会場手配・移動負担・進行負荷が大きく、個人差へのフォローも必要です。

・オンライン研修
遠方でも参加しやすく、質疑や対話を確保できます。
ただし、通信環境の差や集中力の維持、交流の設計(ブレイクアウト等)に工夫が必要です。

・eラーニング
eラーニングはインターネットを利用して、各自で学習サイトにログインし、学ぶ方法です。スキルや知識のインプットには、繰り返し学べるeラーニングが効果的ですし、LMS(Learning Management System:学習管理システム)の機能を活用すれば、対面研修やオンライン研修との一元管理も可能です。LMSでは進捗・完了状況の把握もできます。

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LMSとは ~学習管理システムの基本から応用まで、機能と活用、これからを知る~ | Qualif eラーニングラボ

デジタル時代の階層別研修はLMSで!階層ごとのスキル育成を一元管理する最新手法と研修内容 | Qualif eラーニングラボ

FAQ(よくあるお問合せ)

Q1 内定者研修は数カ月をかけて何度も行うことが必要ですか?

A 内定者研修は会社によって研修内容が違います。期間も回数も、1日だけ・1週間・目的別に複数回など様々です。自社の内定者研修の目的を明確にして、かつ、内定者の負担にならないように、回数や頻度を決めましょう。

Q2 内定者研修への出席は、内定者に必須ですか?

A  内定者に研修への参加を強制することはできません。欠席を理由に内定を取り消すのも違法となる可能性があるので注意しましょう。

Q3 内定者研修の効果確認はどのように行えばよいでしょう

A 研修参加者に課題やレポートを提出してもらう、面談を行う、アンケートを実施するなど、方法はいろいろあります。eラーニング研修であれば完了率やテストの合格率も指標になるでしょう。集めたデータを活用して研修プログラムの改善につなげていきましょう。

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クラウド型LMS導入でeラーニングの受講履歴の課題はどう解決する? | Qualif eラーニングラボ

まとめ

内定者は誰しも入社に当たって不安を抱えています。入社前に、企業理念を理解し、同期や先輩とのコミュニケーションを図ることで、その不安を軽減することができます。また、実際の業務にかかわる基本的な知識やスキルを身につけることで、内定者は自信を持って入社を迎えることができますし、企業側は新人に即戦力としての活躍が期待できるでしょう。

内定者研修は、まず内定者のスキルを把握するところからスタートし、新人を迎える現場の声を反映しながら、内容を決めていくことが大切です。研修時期や回数、形式も、実施したい内容を検討しながら、自社に適した方法を選んでいきましょう。

研修方法の一つにeラーニングがあります。LMS(Learning Management System:学習管理システム)を導入し、eラーニングで研修を実施すれば、受講者と企業双方にとってメリットがあります。

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LMSの選定方法(機能比較リスト付) ~機能比較で失敗しないために~ | Qualif eラーニングラボ

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