eラーニングは、企業内外を問わず、研修や学習の提供方法として定着しました。特に研修会社や資格試験/検定試験実施団体などでは、社外向けにオンライン学習講座をコンテンツ販売するビジネスが新たな収益モデルとして注目されています。
しかし、eラーニング販売は「動画を置く」だけだと運用で詰まりがちです。とくに法人向け(B2B)では、請求書払い・団体購入・受講状況の可視化などの要件が増えやすく、販売導線と運用を一体で回せる仕組みが必要になります。
まずは下のチェックリストで、自社が「販売用LMS」を検討すべきか判断してください。
販売用LMSが必要か分かるチェックリスト
- □ 請求書払い(見積→請求→入金→ID発行)に対応したい
- □ 団体購入(企業単位でまとめ買い)を受けたい
- □ 企業の管理者に受講状況を共有したい(進捗・修了)
- □ コースをセット販売/クーポン/複数価格を運用したい
- □ 購入後のID・受講案内を自動化したい
- □ 受講期限、追加ID、更新などを運用したい
- □ 受講履歴・修了証明を「証跡」として残したい
- □ 問い合わせ/未入金/運用工数を減らしたい
3個以上当てはまる場合は、eラーニング販売のためのLMS(Learning Management System:学習管理システム)を使った仕組み化をお勧めします。
学習講座を外販する事業で利用するには、一般的な社内研修用LMSでは機能不足なところがあり、販売機能および決済機能を備えたクラウド型=SaaS型のLMSの導入が一般的です。
本記事では、研修会社や資格・検定試験団体など、社外向けにeラーニングコンテンツを提供したい企業向けに、コンテンツ販売機能や決済機能を備えた、クラウド型のeラーニング教材販売用LMSの選び方と活用方法を解説します。
eラーニング教材コンテンツ販売ビジネスの課題
2020年以降、新型コロナの影響で企業の人材育成においてはリモートでの学習や研修が広がり、eラーニング市場は急拡大しました。国内の企業向けeラーニング市場の規模は、2019年の684億円から、2023年には 約1,123億円以上の規模になったと推定され、1.6倍以上に急成長しています。
このように多くの企業では、eラーニング使った社員研修はすでに定着しました。eラーニングベンダーの提供するeラーニングコースを購入して受講したり、内容によっては、自社独自の研修コンテンツを作成して受講しています。
加えて昨今では、作成したeラーニングコンテンツを自社の社員向けに公開するだけではなく、外部の企業向けに販売・外販するビジネスを事業化し、新たな収益源にしていくケースが増加しています。これは、自社の持つノウハウを積極的に社外に提供していきたいという販売側のニーズと、ビジネスの変化のスピードがますます早くなり、社員が身につけるべき知識やスキルを自社で用意できる学習コンテンツの受講だけでは習得しきれなくなっている購入側のニーズが合致した結果とも言えます。
しかし、eラーニングコンテンツの販売を行うためには、社内研修用に利用しているLMS(Learning Management System:学習管理システム)では、決済機能が搭載されていないなど、外販のための機能が不十分であることが多くあります。かといって、必要な機能をカスタマイズで付加すると、時間と費用が掛かってしまうため、サービスの立ち上げがうまくいかない可能性があります。
上のチェックに複数当てはまる場合、販売後の運用(請求・ID配布・進捗共有)がボトルネックになりやすい領域です。Qualifは、eラーニング販売に必要な「販売導線」と「運用管理」を一体で扱えるLMSとして、決済・団体購入・受講管理までまとめて整理できます。
まずは要件を伺い、最小構成でどこまで実現できるかをご案内します。

研修会社が新規事業としてeラーニングビジネスに取り組むために必要な考え方
本記事では、新規ビジネスとしてeラーニングビジネスに取り組む際に押さえておくべき要点、基本的な業務フロー、そしてシステムに求められる基本機能について解説します。
LMS(学習管理システム)とは何か
LMS(Learning Management System)は、eラーニングの運用に必要な機能を備えた管理システムのことで、「学習管理システム」とも呼ばれています。eラーニングコースの作成、配信、受講者の管理、組織の管理、受講の進捗状況の管理まで一元的に行えることが特徴で、教育機関や企業で多く利用されており、eラーニングの実施を支える重要な役割を担っています。

LMS(Learning Management System:学習管理システム)とは~基本から応用まで、その機能と活用を知る~
本記事でLMSの基本機能、応用機能について理解することで、LMSをより使いこなすことができます。
これまでのLMSはもともと、自社の社員の学習状況を管理することを目的に開発されたシステムであったため、社外への研修コンテンツ販売機能や受講機能は基本的には搭載されていませんでした。
eラーニングの研修コンテンツを販売するためには、コンテンツを作成して、販売するための機能を持ったシステムに載せて配信をする必要があります。広い意味でeラーニングコンテンツの販売に利用できるシステムとしては、LMS以外にもYoutubeやVimeo、Udemyなどを候補として挙げることができますが、それぞれ一長一短があり、目的に合わせて最適なものを選ぶ必要があります。詳しくは、「eラーニングコンテンツの販売に使えるシステムとその使い分けとは?」の記事をご覧ください。
eラーニング配信に利用可能なシステム
| 動画視聴 | 学習機能 (テスト・ アンケート等) | 受講状況 確認 | 決済機能 | 自社専用 ショップ | システム | ||
| 動画配信サイト (YouTube) | |||||||
| 動画販売サイト (Vimeo) | |||||||
| eラーニング販売サイト (Udemy) | |||||||
| 一般的な社内用LMS | |||||||
| eラーニング販売LMS (Qualif) | |||||||

「eラーニングコンテンツの販売に使えるシステムとその使い分けとは?」
本記事では、「eラーニングコンテンツの販売に使えるシステム」を5つのタイプに分類し、解説します。
決済機能だけじゃない ~コンテンツ販売機能を備えたLMSと社内教育用LMSの違い
LMSの概要を理解した上で、ここではさらに、eラーニング教材・オンライン学習講座の販売に必要なLMSの機能について詳しく見ていきます。
社内教育用LMSと比較すると、販売機能を備えたLMSは「誰でも購入できる」という公開性と、決済や顧客管理などの機能が追加されています。さらに講座販売用LMSには、以下のような特徴があります。
eラーニング講座販売用LMSの受講機能の特徴
ログイン前にコースを見ることができる
販売用LMSでは、ユーザーがLMSにログインしていない状態でも講座一覧や講座の概要が表示され、動画コンテンツのプレビューなどを見て内容を確認した上でその講座を購入できます。Amazonや楽天などのECサイトで、会員登録やログインをしていない状態でも商品を見ることができるのと同じです。コンテンツを販売しやすい(売りやすい)仕様にしているのです。一方、社内用LMSでは、講座の概要を確認するにはシステムへのログインが必須で、システムの利用者を厳格に制限することに重きを置いているといえます。
ショッピングカート機能と決済機能
購入するeラーニング講座を選択してショッピングカートに追加し、購入することができます。購入代金の決済には、クレジットカードやコンビニ決済、携帯キャリア決済などの決済方法を利用できます。企業単位でまとめて購入する機能も備わっており、請求書払いにも対応可能です。
個人購入と団体購入の両方に対応
講座を受講する本人が、自分自身で1ユーザ分のライセンスを購入する方法と、企業単位で代表者がまとめての複数ユーザ分のライセンスを購入する方法の両方に対応しています。
人事部の担当者が社員の中から受講希望者を募り、希望者全員分のライセンスをまとめて購入するようなケースに対応することが可能です。
ライセンスをまとめて購入する場合、受講者がLMSにログインするためのID・パスワードは、直接個々の受講者本人にメールで自動的に送付されます。代表して購入した人事部の担当者に全員分のID・パスワードが送付されてしまうと、その担当者が受講者一人ひとりにID・パスワードを転送しなければならず、大人数の分のライセンスをまとめて購入したような場合には、非常に手間が掛かってしまいます。コンテンツ販売を想定したいLMSでは、企業同士の取引と展開が想定されているのです。
社内LMSとeラーニング販売用LMSの機能の違い(受講者機能)
| 社内LMS | eラーニング販売用LMS | |
| ログイン前 | ー | ログインせずにコース一覧を閲覧 |
| ログイン | ID & Pass 社内システムとのSSO | ID & Pass |
| 受講者トップページ | 受講割当されたコースのみ表示 | 購入済のコースを表示 未購入のコースも表示 |
| コースプレビュー | ー | 購入前にプレビューを閲覧 |
| 購入ボタン | ー | プレビューを見て 購入ボタンクリック |
| ショッピングカート | ー | ショッピングカートで購入決定 |
| 決済 | ー | クレカ、コンビニ、銀行振込等 |
| 受講 | 動画視聴・Scorm・確認テスト・アンケート等 → 受講履歴が記録される | |
eラーニングコンテンツ販売用LMSの管理機能の特徴
価格設定機能
各講座に価格を設定して販売を行うことができます。1講座ずつ販売を行うだけではなく、複数の講座コンテンツをパックにまとめ、そのパックに対して価格を設定して販売することも可能です。加えて、対象者によって価格を変更したり、クーポンを発行して期間限定で割引をすることなども簡単に行えます。
購入履歴と入金状況の確認
社内教育用LMSに備わっているユーザー管理機能や受講状況の管理機能に加えて、どのユーザーが何の講座を購入したかを確認できる購入履歴管理機能や、購入代金の支払い状況を確認できる機能が、販売用LMSには求められます。
クレジットカード決済や携帯キャリア決済は、購入時点で料金の支払いが完了するタイプの決済方法で、コンビニ決済や銀行振込は、購入と料金の支払いの間にタイムラグがあるタイプの決済方法という違いがあります。特に後者のタイムラグがある決済方法の場合は、入金状況管理画面で支払いが行われたかどうかを確認することが重要となります。
顧客企業ごとの管理者機能
eラーニング講座の販売をさらに分類すると、個人ユーザーに向けた販売と企業ユーザーに向けた販売に分けることができ、LMSに求められる機能にも違いがあります。最も大きな違いが現れるのが、企業ユーザー向けの販売の場合には、その企業ごとに管理者を設定する必要があるという点です。その管理者は自社の受講者の受講履歴のみをLMSから確認可能で、進捗が芳しくない受講者に対しては受講を促す働きかけを行います。
社内LMSとeラーニング販売用LMSの機能の違い(管理者機能)
| 社内LMS | eラーニング販売用LMS | |
| ユーザ情報項目 | 氏名・メールアドレス・所属企業 | |
| ユーザ情報項目の差 | 所属組織・役職・職位・年次 etc. →会社の中での位置づけを表す項目 | 住所・電話番号・決済方法 etc. →その人個人を表す項目 |
| 組織管理 | 企業の組織図を取り込み | - |
| 購入履歴 | - | 購入したコース名・購入日・価格 |
| 入金管理 | - | 入金日・金額 |
| 受講割当 | 管理者がコースごとに対象者を設定 | - |
学習講座販売用LMS「Qualif(クオリフ)」の強み
ここまで見てきたように、同じLMSといっても、社内教育用のLMSとeラーニング講座販売用のLMSとでは、求められる機能に違いがあります。さらに、コンテンツ販売用LMSにも、個人ユーザ向けと企業ユーザ向けとがあり、適切なLMSを選ぶことがeラーニングビジネス成功の鍵であることが理解いただけたと思います。
クオークのeラーニング講座販売用LMS「Qualif(クオリフ)」は、企業ユーザー(B to B)向けにeラーニング講座販売を行うのに必要な機能を備えた法人向けのクラウド型LMSです。前項で挙げた機能の他にも様々な機能を有しています。
自社専用の販売ショップ(販売サイト)の開設がかんたんに可能
自社の商品(eラーニング講座)だけを販売するショップをかんたんに開設することができます。また、ショップのデザインもカスタマイズ可能なため、自社のブランドイメージを損なうことなくビジネスを展開できます。
受講状況の詳細な管理が可能
管理者は誰がどの教材コンテンツを購入したか、その講座の受講状況はどうかを、LMSの管理画面で細かく確認することができます。
セキュアな配信が可能
受講者の情報が記録されるデータベースは暗号化されているためデータ漏洩のリスクは低く、学習教材の動画もストリーミング配信されデータが盗まれるリスクが低いため、安心してeラーニングビジネスを展開できます。
eラーニング教材販売のLMSには「Qualif(クオリフ)」
決済機能付き
学習講座販売用LMSは、顧客獲得から売上管理、受講者サポートまでを一元管理する仕組みを提供し、eラーニングビジネスを成功に導く重要なツールです。一方、社内用LMSは、従業員教育に特化したツールであり、用途や機能面で明確な違いがあります。目的に応じて適切なシステムを選択することが、運用効率と投資対効果を最大化する鍵となります。
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Qualif(クオリフ)は、「オンライン学習+講座販売」に
必要なeラーニングのすべてが揃うLMSです

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クオーク株式会社では、LMS「Qualif(クオリフ)」の提供だけにとどまらず、教材設計のアドバイスからコンテンツ制作、LMS(Learning Management System:学習管理システム )運用のご支援までをトータルでサポートしています。単なるシステム屋ではなく、貴社の事業の成功のためのパートナーとして、eラーニングビジネスを成功させるための様々なノウハウをご提供しています。
「自社に助成金が適用できるか相談したい」
「社員のDXやAIに関するスキルを向上させたい」
「eラーニングを活用した新規サービスの立ち上げをしたい」
などのニーズをお持ちの方は、以下よりぜひお問合せください。
FAQ
Q. eラーニング販売を始めるのに何が必要ですか?
A:最低限、販売導線(LP/申込)、決済、購入後の受講開始までの運用設計が必要です。法人向けの場合は請求書払い・団体購入・受講状況共有まで想定するとスムーズです。
Q.請求書払い・団体購入に対応できますか?
A:対応可能です。ただし「見積→請求→入金→ID配布→受講管理」まで一連の運用が発生するため、販売用LMSでの仕組み化を検討すると運用負荷を抑えられます。
Q. Udemyなどのプラットフォーム販売との違いは?
A:集客面のメリットがある一方、ブランド体験や顧客データ、B2B向けの請求・団体管理などは制約が出ることがあります。自社要件(B2C/B2B)で選ぶのが重要です。
Q. 販売用LMSはどんな場合に必要になりますか?
A:請求書払い、団体購入、企業管理者へのレポート、ID配布の自動化、受講履歴(証跡)などの要件が増えるほど、販売用LMSが現実的です。


